某所、月の光がその光景を映し出していた。
そこには死の色が濃く浮かぶ光景が浮かんでいた。
まだ燻る火、ほとんど原形をとどめていない民家、そして地面に倒れたもう永遠に動かな
い人・・・・そこに存在するのは巨大な腕で民家を壊したり、死んだ人を何度も地面に叩
きつける黒い毛で覆われた民家と同じ位の背をしている生物が複数、そして黒い、全てを
飲み込むような黒い剣を持った青年が一人・・・・笑っていた。
「ハッハッハ、楽しいぜ!!もっと壊せ〜ヒャッハッハ♪」
「な、なんだこれは・・・・・・。」
村の入り口に白い戦闘服、銃や大型花器で武装した集団が居て、驚愕の声を上げる。全員
胸元には十字架を背に聖女が腕を組んで祈っているデザインのペンダントが光っていた。
「あ〜ん?玩具が来た見てぇだな。ラッキーだぜ。」
「お前か!!こんな事をしたのは!!」
「ああ、そうだぜぇ〜愉しくてたまんねぇもんよォ〜ケッケケッケ♪」
青年のあまりにも狂喜な笑いに嫌な感じを覚えつつ白い武装集団は一斉に武器を青年に構える。
「おとなしく捕まれば手荒なまねはしない!!我々に捕まって神の裁きを受けろ!!」
いきなり青年が剣をその場で勢いよく横振りする。いきなりの行動に白い武装集団は戸惑う。
「何の真似だ?」
「ギャッ!!」
白い武装集団のうちの一人が問い返した瞬間、その隣に居た集団の一人が声を上げて倒れ
る。斬られていた。
「こういうことだぜ、わかったかい、教会の犬【白き鷹騎士団】のみ・な・さ・ま?」
その言葉と共に白き鷹騎士団と呼ばれた集団は一斉に青年に発砲する・・・・が・・・
その銃や火器から発射された大小の弾は黒い物体に遮られた。
「グルルルルルルル・・・・・」
それは先ほどの黒い巨大な生物。見た目はゴリラの体に狼の頭を合わせた感じの怪物。
「ひィ!!」
その姿に騎士団は一歩引く。無数の銃弾を受けたはずの怪物は傷一つない、足元には弾か
れた銃弾。そして怪物は一気に騎士団に襲い掛かる。
「俺の名前はヒャル、死ぬ前に覚えとくといいさ!!呪う時に必要だろ、ハッハッハッハ♪」
その後白い戦闘服を赤く染めた人の死体が無数に発見された。同じく服を赤く染めた村人と共に・・・・・。