【ウィン】:「うひゃ〜すげぇ〜。」
【シャオ】:「マジで蛇みてぇだなぁ〜。」
ユンスク達の目の前には長い蛇のような黒い線が続いていた。
【ユンスク】:「ふむ、あれは避難しきってない住民の列だな・・・・・。」
【エンリ】:「マザーΣを中継して本部に保護を要請しました。」
【さつき】:「にしても厄介ね、この数は・・・・・・。」
別ポイントから上陸に成功した第9独立ユニット部隊は後続にいる本隊の偵察隊として再
編成(実際、中身は変わらない)されていた。ユンスク達はそれぞれ操縦の得意なタイプ
の神兵に乗り換え、さつきは専用の機体『Avenger』に乗り換えていた。
【ユンスク】:「じゃあ一旦マザーに帰るとするか・・・・・・。」
【エンリ】:「帰れそうも無いです・・・・・・。」
【さつき】:「敵機?」
【エンリ】:「先ほど飛ばしたセンサーポッドがレッツァーラを十機、捕らえました。こち
らに向かっています。」
遠くの方から砂煙を上げて走ってくる巨人の集団が見える。
【ウィン】:「こっから避難民を逃がすヒマもねぇな・・・・・。」
【シャオ】:「大丈夫だろ、自国の住民なんだから相手も攻撃しねぇだろ。」
しかしレッツァーラの集団は黒い避難民の列に銃撃を仕掛け始めた。
【ユンスク】:「量産型のAIには住民の見分け方もわからないお頭のようだなっ!!」
ユンスク達は一気にレッツァーラの集団に突入する。
【ユンスク】:「エンリは何とか避難民を誘導してなるべく戦闘地域から離れてくれ!!」
【エンリ】:「わかりました!!」
【ユンスク】:「残りの各員はレッツァーラを避難民をなるべく巻き込まないように素早く破壊しろ!!」
【ウィン】:「いっくぜぇ〜!!」
神兵・Dの肩部ミサイルコンテナ、ハンドミサイルコンテナ、腰部ガトリング砲 脚部ミ
サイルポットを一気に構え全弾発射する。
【シャオ】:「ばか!!そんなことしたら避難民巻き込むぜ!!」
【ウィン】:「ハッハッハ、大丈夫大丈夫!!俺は当てる気はねぇよ!!避難民にも敵機に
もな。」
【シャオ】:「へ?」
ウィンの神兵・Dが発射したミサイルなどはレッツァーラ十機の目の前に着弾、すさまじ
い砂煙をあげる。その砂煙からさつきのAvengerが日本刀を模した武器Brigand Slayer
を構え、ユンスクの神兵・Aが接近戦用ナイフを構えレッツァーラを強襲した。
【さつき】:「所詮、機械。予想されてない攻撃には対応できないでしょ!!」
Brigand Slayerでレッツァーラを二機一気に真っ二つに切り裂く。
【ユンスク】:「やはりこっちの方が、操縦が慣れていていいな・・・・。」
神兵・Aが両手に持っていた接近戦用ナイフを着地したとき左右にいたレッツァーラの動
力部に正確に突き刺す。
【ユンスク】:「これで残り六機!」
【ウィン】:「で、出遅れシャオはそこでボケッとしてていいのか?接近戦は神兵・Wの十八番だろ?」
【シャオ】:「うお!!そうだった!!」
シャオの神兵・Wが大型脚部ローラーを最大まで加速させ走る。レッツァーラ二機がそれ
に気づきアサルトライフルを構え迎撃してくる。しかしパターンのわかる射撃は神兵・W
に搭載されている弾予測システムにより軽く回避する。
【シャオ】:「ひゃっほう!!あったらねぇぜ!」
一気に懐に飛び込んだ神兵・Wは接近戦用スパイク、接近専用ナイフ、背部アクティブク
ローで一気に三機撃破する
【シャオ】:「どんなもんだい!!一気に三機撃破!!」
【ユンスク】:「ハイハイ、よかったな、おめでとう・・・・。」
【シャオ】:「すっげぇイヤミったらしいな・・・・・・。」
【ユンスク】:「イヤミだ。エンリ!避難状況は?」
【エンリ】:『全然ダメです。私が亜連の兵士だというのもあってなかなか聞いてくれません。』
【ユンスク】:「う〜ん、困ったな・・・・・。」
【さつき】:「困る暇も無いようです。さらに敵機十機増援です。」
目の前からまたレッツァーラの集団が走ってくる
【シャオ】:「避難民を守りながらだと捌ききれないぜ!!」
しかしいきなりすさまじい音と共に増援のレッツァーラの三機ほどがまとめて吹っ飛ぶ。
【ウィン】:「なんだなんだ?」
全員、外部カメラで射撃のあった方向を見ると、そこには・・・・・・・。
【エンリ】:『鬼?』
【ユンスク】:「いや、ユニットだな・・・・・・・。」
そこには角のようなセンサーを頭部に搭載した黒いユニットと白いユニットがいる。白い
ユニットの腕にはスナイパーライフルがありバックパックに繋がれている。黒いユニット
は両手に実剣を持っており接近戦が得意のようだった。
【ユンスク】:「あの白い奴が持ってるのレールガンだな・・・・。」
【ウィン】:「レールガン・・・・・ってマジ?」
【ユンスク】:「ん?」
その黒いユニットから通信が入る
【???】:『援護する。』
【ユンスク】:「そちらは誰だ?」
【???】:『別に誰だって構わな・・・・。』
その時もう一人誰かが割り込む
【???】:『ハイハイ、黒鬼は黙っててね。厄介になるから。』
【黒鬼】:『むぅ・・・・・。』
【ユンスク】:「貴女は?」
【白鬼】:『私はY.A連ユニット部隊所属でコードネーム【白鬼】で、無愛想な声の方が【黒兎】ね。
本名は別にいいでしょ?」
【ユンスク】:「ああ、構わない。もう一つ質問させてくれ。」
【白鬼】:『なにかしら?』
【ユンスク】:「なんでそちらの軍であるレッツァーラを攻撃したんだ?」
【白鬼】:『それは・・・・。』
【黒鬼】:『つまらんからだ・・・・・。』
【ユンスク】:「つまらない?」
【黒鬼】:『戦争というのは兵士同士が戦って命のやり取りをするから楽しいのだ。自動人
形なんて論外だし、関係ない国民を巻き込むなんて最悪だ・・・・。』
【白鬼】:『まぁつまらないとか面白いって言うのは黒鬼の個人的意見で、国民を巻き込む
のは私もパス。で、この場は休戦をして、レッツァーラの処理を共同でしたいんだけどいかが?』
【シャオ】:「別にいいんじゃねぇか?楽になるし。」
【エンリ】:『私もイイと思います。避難民を守りきるにはそれしかないと思います。』
【ユンスク】:「・・・・・・・・・・・・・。」
【さつき】:「私は反対よ!!Y.A連の兵士なんて信じられないっ!きっと隙を見てこっちを攻撃してくるわ!」
【ウィン】:「俺もさつきと同じ意見だ。敵だぜ。いつ裏切るかわかったもんじゃない!!」
【ユンスク】:「・・・・・・・・。」
【エンリ】:『ユンスクさん!?』
【ウィン】:「ユンスク!?」
【白鬼】:『で、どうするのかしら?』
【ユンスク】:「その申し入れ・・・・・・・受けよう。」
その後、黒鬼と白鬼との共同戦線で一気にかたがついた・・・・。そしてユンスク達がY.
A連のエースと初めて会った時だった。その後黒鬼、白鬼とは第四次世界大戦終戦後、第
四次世界大戦最大の戦いと呼ばれる『ヤクーツク戦』で合間見え、戦うことになるのだった。