003:さいごの皇帝

 

 

「・・・・と言う事で地方で民が皇帝への反感・・・・。」

つまらん、民なんぞワシの家畜だろうが・・・・・。

「次に軍の構成についてですが・・・。」

「もう、よい。軍はワシの駒として動けばそれでよいのだ。わしは部屋に戻る!!」

「皇帝!!」

くだらん、くだらん、くだらん。ワシは絶対的立場、神にも等しき皇帝だぞ。

思わず壁に手を叩きつけてしまった。その痛みがますますワシの苛立ちを募らせる。

税は少なくなるばかり、地方では民の反乱、軍も軟弱化・・・・・・このワシについていけぬというのか!!

自分の王室に入り、苛立ちを込めて王冠をベットに投げつける。

未だ跡継ぎさえ出来ていないのも苛立ちに拍車をかける。

くだらん、くだらん、くだらん、くだらん、くだらん、くだらん、くだらん、くだらん!!

「皇帝!!」

「皇帝の部屋に何も言わずに入ってくるとはどういうつもりだ!!!」

「それどころではありません!!!軍の反乱です!!」

なっ!?クソッ!!駒の分際で・・・・・・。

「城の防衛を固めよ!!!!」

「しかし、軍の八割がその反乱に呼応しています。護りきれません!!!」

「何!?誰だ、誰が反乱を指揮しているのは!!」

「せ、赤鎧の英雄です!!」

 

 

クソ、クソ、クソ・・・・

外から反乱軍の怒号が聞こえる・・・・・ワシはワシは皇帝なんだぞ。

クソクソクソクソ!!

 

バンッ!!

「お前は・・・・赤鎧の英雄・・・貴様。」

王室のドアを開けたのは血だらけで赤く染まった鎧を着た剣士・・・・。

剣士はワシを見て口を開いた。

「まだ英雄ではないさ・・・・皇帝、貴様を討ち取るまではな!!」

「フンッ!!貴様に殺されるほど柔ではないわ!!!」

剣を取り構えると騎士も血だらけの剣を構える。ワシは思い切って突っ込む。

「死ねぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」

剣と剣が当たる凄まじい音、ワシの目線の先には騎士の揺らぐ事のない視線。

「ふんっ!!」

剣を騎士の弾いて軽く目線を床に向けながら一旦後ろに交代する。そして剣を再度

構え、視線を上げると・・・・・。

先ほどまで視界に捉えていた騎士がいない・・・いや、後ろか・・・。

「しまった!?」

背中に軽い振動を受け倒れる。くそ、こんな所でワシは・・・・。

「終わりだな、皇帝。」

倒れたワシの首に騎士の剣先が突きつけられる。

「貴様、ワシから皇帝の座を奪うつもりか・・・・。」

わしがいうと騎士は“フッ”と苦笑を漏らし

「くだらない、俺が欲しいのは英雄という名だ、彼女と約束した・・・。

だから皇帝の座など興味はない、貴様がさいごの皇帝(ラストエンペラー)だ。」

そう言って騎士はわしの首に剣を振り落とした。

さいごの皇帝か・・・・・・確かにくだらんな、くだらん。

ワシは何でこの座に執着したのだろう・・・・・まぁいい。もうワシの人生は終わったのだから・・・・・・・。

ナンダカモウ、スベテガクダラナクオモエテキタ・・・・・。

 

 

END

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