【SPIRIT OF WAR】外伝

神兵について

地図中国の山中、湿気が多い感じが気分をブルーにする、そんな事を考えながらユンスク大尉は新型ユニット【神兵・A(アサルト)】を操縦する。自分の周りには自立AI搭載護衛機三機が後に続く。そして脚部ローラーの動く音と機体に当たる草や木のかすれる音しかしない
ユニット地上運行母艦【マザーΣ】を出撃して一時間、強行偵察をしているのだが一向に敵を発見できない。
ユンスク】:「ふむ、敵を発見できそうもないな・・・・・・いったんマザーに戻るか・・・・・・。」
その時レーダーに反応が多数する
【ユンスク】:「敵か!!全機迎撃準備!!」
ユンスクの司令で残り二機の護衛機もアサルトライフルを構える
そのとき10機ほどの敵ユニット【レッツァーラ】が突撃してくる
【ユンスク】:「これはこっちが不利だな。【マザー】!こちら偵察部隊!応答してくれ!」
【マザーΣオペレーター】:「こちらマザー、どうしました?」
【ユンスク】:「敵ユニット部隊、マザーより20kmで発見。かなり接近されたため強行離脱は不可能!援護にマザー精密砲撃を要求する」
【マザーΣオペレーター】:「了解!精密砲撃希望着弾座標を要求します。」
【ユンスク】:「座標、1.2122・・・・」
【マザーΣオペレーター】:「確認しました。5分後砲撃開始、その3分後着弾します。通信終了」
【ユンスク】:「通信終了!・・・・・・・・・さて敵をどうやって着弾地点まで誘導するかな・・・・・・・。」
敵ユニットが接近戦にしようと滑ってくる。
【ユンスク】:「これはちょっとつらいな・・・・・・。」



〜北京郊外【マザーΣ内休憩室】〜
【ユンスク】:「ふぅ・・・・・・」

ソファに座ったままゴミ箱に飲み終えた缶を投げ入れる
ユンスクは戦闘を終えマザーに帰還したばかりであった。護衛機を二機破壊されながらも敵を着弾ポイントに誘導しマザーの砲撃で一気に敵ユニットを壊滅させた。あとはまだ機能を停止していない敵ユニットに止めを刺して機能を停止させて帰還したのだ。
【ユンスク】:「最近は敵の攻勢も強くなってきているな・・・・」
【エンリ】:「そうですね、敵もそろそろこの戦争に決着をつけたいのかもしれませんね。」
声のほうに目を向けると髪を後ろでゴムでまとめ、微笑みながら女が休憩室に入ってくる
【ユンスク】:「エンリ少尉。まぁそうかもしれないな、俺としても早く戦争は終わらせたいな」
エンリ少尉、基本的には【神兵・RRadar)】に搭乗し敵機索敵、通信妨害、通信正常化などを行い情報戦では欠かせない存在だ
エンリ】:「できれば勝って終わりたいですけどね・・・・・。」

軽く微笑みつつエンリが隣に座り言うとユンスクは無表情に言った
【ユンスク】:「それは敵も同じだろう。」
そのとき休憩室の前の通路が騒がしくなり、一人の少年が飛び込んでくる
【シャオ】:「ニュース!ニュース!大尉〜ニュースだぜ!」
【エンリ】:「あら?シャオさん、そんなに慌ててどうしました?」
シャオ曹長、このマザーΣで最年少のパイロット、格闘戦ではパイロットの中、一で【神兵・
W(Wrestle)】に搭乗し斬り込みを担当する
【シャオ】:「あっ!エンリ姉もいたんだ?ちょうどいいや!今な、司令室の前通ったらな、反抗作戦の話を聞いたんだ!」

ユンスクは髪をポリポリと掻きつつ無表情のまま言う
【ユンスク】:「ふむ、やっとこさお偉いさん方も腰を上げたか・・・・・で、日時は?」
【シャオ】:「へ?・・・・・あぁ日時聞く前にここに直行してきたから・・・・わからない。馬鹿ジャン、俺って・・・。」
【ユンスク】:「ハッハッハ、確かにそうだ。しかしそう自分を卑下にするもんじゃないぞ。なんなら俺が代わりに言ってやろうか?肝心の日時を聞いてこないこの超・大・馬・鹿ん?どうだ?他人に自分を卑下される気持ちは?」

普通に言われるだけでもムカつくのに無表情な顔で言われたものだからなお苛立ちつつ、ウィンはユンスクを無視し、後ろでいつも通りに微笑んだエンリに目を向ける

【シャオ】:「このムカつく上司を強制的に無視して話し進めてもいいよな。」
【エンリ】:「そうですね、いいんじゃないですか。まぁ元気を出してくださいシャオさん」

その時、
【ウィン】:「クックックック、やっぱお前らって見ていても飽きない奴らだなぁ」
いつの間にかシャオの後ろにサングラスをかけた男が休憩室の入り口に立っている
【シャオ】:「ウィン兄、ほっといてくれ!うるせえな!」
【エンリ】:「フフフ、そう言うウィンさんだって見ていても飽きない奴らの一人でしょう?」
ウィン中尉・・・・・ユンスクのよき理解者であり親友。【神兵・D Destruction)】に搭乗している
神兵・Dを完璧に扱える数少ない一人である
【ウィン】:「ハハハ、エンリ少尉はキビシイねぇ〜。」

そしてウィンもユンスクの前のソファにすわる

【ウィン】「おう、そうだ!ユンスク!」
【ユンスク】:「ん?なんだ?見ていても飽きない奴らの一人。」

ウィンは眉間をヒクヒクさせている
【ウィン】:「ぜってぇその性格なおさねぇと友達できねぇぞ。」

ユンスクは立ち上がり胸を張りながら

【ユンスク】:「ハハハハ、その心配はシャオの馬鹿加減以上にない。なんせ俺とエンリは恋な・・・・」

何故かエンリが慌てて立ち上がりユンスクの口をふさごうとする

【エンリ】:「あわわわわ!すとーっぷ!恥ずかしいんですから人前で言わないでくださいよぉ〜、それはまだ公開しないって・・・・・聞いてます?ユンスクさん?」

【シャオ】:「エンリ姉、この馬鹿上司の代わりに言っとくな。それ、酸欠だぜ・・・・。」

見てみるとエンリがユンスクの首を絞めていた。ユンスクは無抵抗に幸せな顔をしている


【エンリ】:「あああ!ユンスクさん!」

エンリが絞めていた腕をはずすと力なくユンスクは倒れ、ついでに机の角に頭をぶつけた

【エンリ】:「うわぁぁ!追撃加えちゃいましたよ〜どうしましょう。」

慌てたエンリにウィンとシャオは声を合わせて一言

【シャオ&ウィン】:『ほっといていいんじゃねえか?これでその馬鹿男の性格が180度かわるかもしれねぇし

【エンリ】:「アハハハハ・・・・」

床に倒れているユンスク以外はソファーに座りなおす

【ウィン】:「まぁ話を変えるがその反抗作戦な・・・・、来週にも開始するそうだ。」
【シャオ】:「そうなんだ・・・。で、こっちの攻め込む戦力は?」
【ウィン】:「中国戦線の全兵力の80%でロシアを落とす・・・・・らしい」
【シャオ】:「オイオイ、ここの守備はどうすんだよ?」

シャオの意見にエンリも同意する
【エンリ】:「そうですよ、80%がロシアに攻めてるときにここを攻撃されたら・・」

ウィンは“お手上げ”ポーズをとりつつソファーから立ち上がる
【ウィン】:「くわしくは作戦会議室でアサコ指揮官から説明があるってよ、俺はお前らを呼びに来たんだからな。」
アサコ第9独立ユニット部隊指揮官、つまりユンスク達が所属する隊の指揮官で日本から派
遣された女軍人。頭はよく、士官学校を主席で卒業したらしいがドジでトロイ事でマザーΣ
では知られている。作戦に関しては彼女よりいい案をだす者はいないだろう。
ウィンにあわせシャオもゆっくりと立ち上がった

【シャオ】:「それじゃあ早速いくか・・・・・。」
【ウィン】:「で、その前に・・・・、コイツどうする・・・・・?」

全員の目線の先には酸欠で幸せそうな顔をしながら気絶しているユンスクが後頭部にたんこぶをつけながら倒れている
【エンリ】:「私に任せてください」

【ウィン&シャオ】:『?』

エンリはソファーから立ち上がりユンスクの傍にしゃがみ、ユンスクの耳元で一言

【エンリ】:「さぁ〜て、そろそろお風呂に行こうかなぁ〜」

【ユンスク】:「まて!俺も行く!

ユンスクが洗面器などのバスセットを持って勢いよく起き上がった・・・・・。

 

〜【マザーΣ内作戦会議室】〜
会議室に入ると一人の女性が資料をまとめていた

ユンスクたちの事を見つけると席へ薦める
【アサコ】:「皆さん、来ましたね。それじゃあ席についてください」
そして全員が席に着くと目の前にスクリーンが移りだす、そしてスクリーンの横にアサコが出てきて話をしだす

【アサコ】:「さて作戦ですが、まず先遣隊が潜水艦でサハリンまで行きサハリンを電撃的に揚陸、占領します。ここが亜連軍の海からの攻撃部隊の前線基地になります。ここでロシア本土揚陸軍本体の到着を待ちます。日本からの補給も受けられますしココまでは問題はないでしょう。・・・・・・問題はサハリンからマガダンまでの航路です。Y.A連の海軍も出てくるでしょう。揚陸した後も気候や地形で進攻速度は格段に低下することが予想されます。補給路も確保しますが戦線が拡大することも予想されるため補給が間に合わない場合があります。最終目的地はモスクワ、ロシアの都市でありY.A連ユーラシア地区本部があります」

机に肘をつきつつユンスクが発言する

【ユンスク】:「敵の水中用ユニットの襲来も予想できるな・・・・・」

【アサコ】:「そうです。そこで水中用装備にも変えられる神兵を持つ我々が先行隊に指名されました。」といいアサコは頷いた。続いてウィンが発言した
【ウィン】:「指揮官。では中国戦線の防衛はどうするのですか?」
【アサコ】:「それはアフリカ戦線から戦力が派遣されてきます。最新鋭の【B.C】ブレイカーチルドレンを採用したユニット部隊も来ますので大丈夫でしょう。」

突然の知らない兵器に作戦会議室がざわめく
【エンリ】:「B.C?なんですか、それ?」
【アサコ】:「私も詳しくは知りませんが、ユニットの演算用AIの代わりに人間の脳を使うシステムらしいです。脳に特殊な演算装置をつけるそうですが、つけるのはすべて子供だそうでB.Cと呼ばれているそうです」
【シャオ】:「あんまりいい感じのもんじゃないな・・・」

新兵器・・・の話を聞いてその場にいる者たちがブルーな気分になっている中、一人寝息を立てている者がいた
【ユンスク】:「
【エンリ】:「話にはほとんど参加せず問答無用で寝てますね・・・・・・・・・・・。」

アサコは説明していたときと変わらない表情でキッパリ
【アサコ】:「あとで永遠に眠らせておきます。話を戻しますが我々は本体に先駆けて一週間後、出撃します。各自準備、自分のユニットの整備を怠らないようにしてください。以上です」

ユンスク以外がバッと席を立ち上がり敬礼、
【ユンスク以外全員】:『了解しました!

 

 

 

三日後〜マザーΣユニット格納庫〜
【シャオ】:「ふぃ〜やっとこさバランサーが直ったぜ〜疲れたぁ〜」
神兵の脚部を開け、いじっていたシャオが黒い顔になって出てくる
【ウィン】:「お疲れさん。・・・・・・プッ!クックックシャオ〜何だよその顔〜!!」
【シャオ】:「笑うなぁ〜!!しょうがねえだろうが〜!」
そこにドリンクを持ってエンリがやってくる
【エンリ】:「飲み物もって来ましたよ〜ちょっと少し休んだら・・・・・・クスッシャオさん、その顔・・・・・・フフフフ
【シャオ】:「ひっでぇ〜エンリ姉までそんな事言うわけぇ〜?」
そしてドリンクを取りみんなで座り込む
【シャオ】:「そういやぁ〜アフリカからの増援部隊っていつ来るんだっけ」
【エンリ】:「え〜と今日にも来るはずですよ。こっちの気候や地形に慣れるために早めに来るそうですよ。」
その時マザーΣの格納庫が開く、そして6機のユニットが入ってくる
【ウィン】:「おっ?来たらしいな。」
格納庫の格納位置につき入ってきたユニットから出てきたのは戦場で戦っている人間にとって
不思議な光景としか言いようがなかった。六機中、四機からパイロットと年が小学生くらいの少年少女がでてくるではないか・・・・・・。
【シャオ】:「オイオイ、マジかよ・・・・あれ、年齢俺以下だぞ・・・」
【ウィン】:「あれが噂のB.Cか・・・・・、ったくやっぱ本物見るとただのガキなんだけどなぁ〜」
【エンリ】:「そうですね、普通だったら学校に通ってそうですしね。戦争・・・・・全部これが私たちを、あの子達を、世界を狂わせているのでしょうね。」
少女がこちらに気づき会釈する、つられてシャオたちも会釈した

【ユンスク】:「ん?あの人たちが増援なのか・・・・・」
いきなりユンスクに後ろに立たれてシャオが驚く
【シャオ】:「うおっ!びっくりしたー、大尉〜脅かすなよ。」
【ユンスク】:「ふむ、裏切り者一号の黒い顔を見るほうがよっぽど驚くと思うがな・・・・・。」

【ウィン】:「まだ、会議のとき起こさなかったかららアサコ指揮官に殺されかけたことを恨んでるのかぁ?」

【ユンスク】:「恨んじゃいないさ、裏・切り・者・に・ご・う!

【ウィン】:「・・・・・お前、戦闘のとき後ろに気をつけろよ。もしかしなくてもワザとお前の機体にミサイル当ててやるから。」

【ユンスク】:「ハッハッハ、裏切り者二号に当てられるほど私はトロくは無い」

にらみ合うウィンとユンスクの間にエンリが割って入る

【エンリ】:「私が起こせば良かったんですヨネ、ごめんなさいユンスクさん。」

【ユンスク】:「何で謝るんだ?気にしてないよ、マイ・ハニー♪

ユンスクに冷たい視線を送りつつエンリは一言

【エンリ】:「・・・・・・・・・ふざけてます?

【ユンスク】:「いや、俺はいたって真面目だが・・・・・・?まぁいい・・・。」
そう言ってユンスクは増援部隊の人々に向けて歩き始めた。歩いていくと増援部隊の一人がユンスクに気づく
【ユウジ】:「ん?あんたは?」
【ユンスク】:「第9独立ユニット部隊のユンスク大尉です、ようこそマザーΣへ。」
ユンスクが手を差し出すと一番年をとった(40〜50位だろうか)男が手だして握る

【ユウジ】:「ああ、こちらこそ。アフリカ戦線から移動でココに着任することになった第一試験ユニット小隊体長の鳴海 ユウジだ。」

そして二人で何かを話し出すのを見つめつつ
【ウィン】:「挨拶するのはいいけど、何はなしてるんだ?」
【シャオ】:「さぁ〜現場で部隊を指揮するもの同士会話が弾むんだろ」
【エンリ】:「なんであの大尉と話している方が隊長だとわかるんです?」
【シャオ】:「いや、そりゃ〜普通隊長クラスの人が挨拶にしに行ったら挨拶を受けるのも隊長かその代理クラスだろ?」
【ウィン】:「だな・。」

【エンリ】:「でもユンスクさんと話が合うって事は、相当寛大な心をお持ちの方か、同じような性格を持っているお方なのか、ですよね・・・・」

【シャオ】:「お願いだから前者のほうであってほしい・・・・」

【ウィン】:「ああ、もう一人あんな性格捻くれまくり男がもう一人増えたらマジで俺泣く・・・・。」
【エンリ】:「あら、大尉が戻ってきましたよ。」
ユンスクがこちらに走ってくる
【ユンスク】:「みんなに話があるだが?」
【ウィン】:「なんだ?ユンスク。」
【ユンスク】:「残りの三日、増援部隊がココの地形に慣れるのを手伝う・・・。」
【シャオ】:「と、言うと?」
【エンリ】:「私たちは何をすればいいのですか?」
【ユンスク】:「とりあえず模擬戦をやることになった。」
【ユンスク以外】:「模擬戦!?」
【ユンスク】:「まずはシャオから。相手は瑠 芳美操縦士だ。」
ユンスクが指を刺し増援部隊にいる黒髪のロングの女性を指す
【シャオ】:「ん?うわっ!女相手かよ〜」
【ウィン】:「何言ってんだ、戦場ではそんなの関係ないしユニットに乗ってんだから力とかは関係ないんだからよぉ」
【シャオ】:「でもさぁ〜・・・・・・」
そしてシャオが芳美の方を見ると芳美と目が合い芳美は笑顔でこちらに手を振ってくる
【シャオ】:「・・・・・・・ポッ」
【ユンスク】:「ふむ、馬鹿にも暖かい日差しが差し込んだようだな・・・(冷ややかな目線)
【ウィン】:「クックックックシャオにも春がついに来たか?(暖かい目線)」
【エンリ】:「ふふふ、うらやましい限りですね、本当に(同じく暖かい目線)」
シャオは顔をトマトより赤くして叫ぶ
【シャオ】:「そんなんじゃないやい!」

【ユンスク】:「真っ赤だな、まるでエンリが初めて俺とキ・・・・・ボキッ」
【シャオ&ウィン】:『南無・・・・・

シャオとウィンが見たものは真っ赤になったエンリによってヘッドロックを喰らい口から泡を吹いて死に掛けているユンスクの姿だった。
     第二話へ続く

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