第五話
【ユンスク】:「もうすぐ上陸だ・・・・・各員準備はいいか?護衛機の調整もしとけよ」
本隊と合流したユンスク達は無事海を渡りきりマガダン付近に近づいていた。
【シャオ】:「そんな警戒しなくたって大丈夫だろ〜ってかウィン兄は?」
【エンリ】:「そういえばさつきさんもいませんねぇ〜」
ユンスク達はサハリンと同じように強襲揚陸しようとしていた。ただしユンスク、シャオ、
エンリの乗る有人神兵・Mと無人自動操縦神兵・M六機で。
【ユンスク】:「あいつ等は最新の航空援護用の神兵・Sで沖合いの潜水空母から出撃だ。」
【シャオ】:「いいなぁ〜俺も最新型乗りてぇ〜!!」
【エンリ】:「最新のAIを乗せた護衛機がいるじゃないですか。」
今までの護衛機は指示を受けなければ行動を起こさなかったが最新のAIは自己の判断で
も行動をするようになっている。
【シャオ】:「でも俺自身が最新機に乗りたいの。」
【ユンスク】:「お前は上下左右360°での戦いに向いてないだろう。」
【シャオ】:「だけどさぁ〜。」
【エンリ】:「話はそこまでです。上陸時間です!!」
すさまじい水飛沫を上げ上陸する
【シャオ】:「なにもない・・・・・・見事に何も無い!!」
何も無い海岸だった。目の前に林があるだけで見事に何も無かった。
【エンリ】:「やっぱり決戦の舞台まで戦力を消費しない気ですかねぇ。」
【ユンスク】:「いいや、歓迎はしてくれるようだ・・・・。」
ユンスクがそう言った瞬間砂のから砲塔が大量に出現する
【シャオ】:「マジ・・・・?」
【エンリ】:「ぁははは・・・・・ユンスクさん!!」
【ユンスク】:「散開!!」
その声が合図のように砲塔が火を吹きユンスク達の神兵を襲う。
〜ユンスク達が待ち伏せを受けた場所より数キロの空中〜
B−2爆撃機と似たフォルムの飛行機が二機、飛んでいる。ウィンとさつきの神兵・Sだ
った。
【ウィン】:「なぁ〜?」
【さつき】:『・・・・・・・・。』
【ウィン】:「作戦中だからか?だから答えないのか?それとも俺がお前の泣いたのを見た
からか・・・。」
【さつき】:『それ以上何かしゃべったら友軍だからと言っても落とすわよ・・・・。』
【ウィン】:「じゃあ一つでいいから俺の答えてくれないか?」
数秒の空白の後さつきが口を開く
【さつき】:『・・・・一つだけよ・・・。』
【ウィン】:「なんでいつもそんなにピリピリしてるんだ?」
【さつき】:『そんなの戦闘のときに緊張しない人なんて・・・・。』
【ウィン】:「そうじゃない!!」
【さつき】:『!?』
【ウィン】:「すまない・・・だけどよ、なんで潜水空母でも安全な場所でもお前は周りを
拒否するんだ?なんで人を信じようとしない!?」
【さつき】:『そ、それは・・・・・。』
さつきが何か言おうとしたとき潜水空母にいるアサコから通信が入る
【アサコ】:『大変です!!』
【ウィン】:「どうしたんだ!?」
【アサコ】:『ユンスク中尉達が待ち伏せに合い苦戦しています。』
【さつき】:『!?』
【ウィン】:「そんなの予想していなかったわけじゃないだろ!!」
【アサコ】:『予想以上に数が多かった事とユニットではなく砲塔が大量に配置され、弾幕
でユンスク中尉達のユニットが反撃できないでいます!!しかも悪い事にレッツァーラが
数機で迫ってきています。」
【ウィン】:「撤退は!?」
【アサコ】:『ユンスク中尉達は砲塔に囲まれていますから自力では無理です。こちらから
の援護射撃も間に合いません。急いでください!!」
【ウィン】:「了解!」
【さつき】:『・・・・・了解。』
潜水母艦との無線を切る
【ウィン】:「答えはいつでもいいから答えてくれよ。」
【さつき】:『・・・・・・・・・・。』
護衛機が一機、砲撃を一気に受けて爆発する
【シャオ】:「中尉!!もう俺達も避けきれなくなってきたぜ!どうする!?」
【エンリ】:「退路も塞がれています・・・・どうしましょう!?」
【ユンスク】:「ちっ!万事休すか!?」
その時すさまじいエンジン音と共に爆弾が投下され砲塔が破壊されていく
【ウィン】:『大丈夫か、ユンスク!?』
【ユンスク】:「ウィンか!?」
ユンスク達の神兵・Mの上を二機の神兵・Sが勢いよく通り過ぎる。
【シャオ】:「ヒャホウ!さすが新型!すげぇな♪」
【ウィン】:『浮かれてる暇は無いぞ!ここにレッツァーラが数機迫ってる!アサコ指令か
ら撤退命令が出たぜ。』
【ユンスク】:「わかった。撤退するぞ。」
【シャオ&エンリ】:「了解!」
【ウィン】:『俺達はギリギリまで援護する。』
そして一気に海に撤退する。神兵・Mを狙う砲塔をウィンとさつきが爆弾投下で黙らせる。
やっと海にたどり着いた神兵・Mは海に潜り込む
【ユンスク】:「撤退完了。もう大丈夫だ!」
【ウィン】:『了解、こっちも帰還する。』
しかしその時地上からの砲撃でさつきの神兵・Sの主翼に当たる
【さつき】:『くぅ・・・・航空に支障。維持できない!!』
そしてさつきの神兵・Sが砂浜に砂を巻き上げ不時着する。
【ウィン】:『おい!大丈夫か!?』
【さつき】:『私のことはいいから早く撤退しなさい!!』
【ウィン】:『だけどよぉ!』
いきなり林からレッツァーラが数機飛び出してきて、一気に墜落した神兵・Sに近づいて
くる
【さつき】:『くっ!』
さつきが諦めたその時、いきなり大量の銃弾を受けレッツァーラ一機が吹っ飛ぶ。
【さつき】:『!!』
さつきが見たものは滑空しながらガンポットを乱射するウィンの神兵・Sだった。そのま
ま神兵・Sはゆっくり着陸しコクピットが開く
【ウィン】:『早く乗れ!!』
さつきは墜落した自分の神兵・Sに素早く自爆コードを打ち込み走った。そしてウィンの
神兵・Sのコクピットに飛び込む。
【ウィン】:『うっし、さっさとココから離れるぜ!!』
そして一気に飛び上がる。残ったレッツァーラがアサルトライフルを構えるが・・・・。
すさまじい爆音と共にさつきの神兵が爆発した。
その隙にウィンの神兵・Sは一気に加速して母艦に戻っていった。
〜潜水空母まで数キロの海上〜
神兵・Sが一機、帰還するため航空していた。
【ウィン】:「ふぃ〜なんとか逃げ切れたな。」
【さつき】:『何で逃げなかったの!?』
いきなりさつきは叫んだ
【ウィン】:「何だよいきなり・・・・・。」
【さつき】:『何で私を置いて逃げなかったのかって言ってるの!!あなたまで落とされるところだったのよ!』
【ウィン】:「それはやっぱりよぉ・・・・・、」
【さつき】:『?』
ウィンは恥ずかしそうに頬をポリポリ掻きながら少し小声で言った
【ウィン】:「その・・・仲間だろ。」
【さつき】:『!?』
【ウィン】:「お前は俺にとってもユンスク達にとっても大切な仲間なんだよ。」
【さつき】:『・・・・・・・・・・。』
さつきはうつむいてしまった。しかしウィンは気づいた、さつきの肩が小刻みに震えていた事に・・・・・・・・。