バッドラック 〜another skill〜

バッドラック 〜another skill

 

 

 

序章

 

「デフコンレット発令・・・・α戦闘機編隊をEM軍戦闘機編隊の迎撃に・・・・β戦闘機編隊を

防空に当たらせろ。」

空母ロシナンテ・・・管制塔で一人の男が指揮を取る・・・・ウィルクス艦長・・・・第七艦隊司令である。ウィルクス艦長は無線を繋ぐ。

「ロシナンテより、コールサインブラックバード1へ。α編隊を率いて迎撃に当たれ。R.T.B!!

『ブラックバード1、了解・・・R.T.B

「始まる・・・・・か・・・。」

ウィルクスはゆっくりと艦長席に座り煙草に火をつけながらまもなく戦闘が始まるだろう空を見て呟いた。

 

 

2×××年・・・・突然隕石がアメリカ大陸に落ち、巨大なクレーターが出来た。

世界は動揺し混乱したが、さらに混乱する事態が起きた。

クレーター付近から謎の軍隊が現れ陸海空全てにおいて進行を始め南北アメリカ大陸を占

領した。そこでやっと国連は連合軍を作り反撃に出たが同時に謎の軍隊は進行を止め静寂

を保ったのだった。人々は謎の軍をEMと呼称した。そしてそれからさらに数年が経った

時、太平洋ハワイ沖にEMの大軍が現れ連合軍もすぐに艦隊を送り現在に至る。

 

戦闘機α編隊隊長ケン・ナカタはF−35B戦闘機を操縦する。

ロッキードマーティン社が中心となって開発した戦闘機でステルス性を持つ上、垂直離着

陸が出来るようになっている。船体には黒い鷲のエンブレムが描かれていた。

ケンは無線を繋ぐ。

「ブラックバード1より全機へ、お客さんが来た。豪華にお迎えしてやれ。

ラン、ビオシーは俺と編隊行動だ。」

『ブラックバード2、ラン了解です。』

『ブラックバード3、ビオシー了解っ!!』

ケン機の左右にF−22が二機並走する。

F−22はロッキード・マーティン社が開発した戦闘機でステルス性を持ちアフターバー

ナーを使用せずに超音速飛行ができる特徴がある。

二機のF−22にも黒い鷲のエンブレムが描かれているが垂直尾翼の先の色が変えられて

おり、赤が女性パイロットでコールサインブラックバード2、ランの戦闘機。緑がコール

サインブラックバード3、ビオシーと呼ばれたパイロットの機体であった。

『フフフ、ビオシー。そんな緊張しなくても訓練どおりやれば大丈夫よ。』

『む、武者震いってやつですよ・・・緊張なんかじゃ・・・・。』

そんな会話をしている時、目の前に三角錐の形をしたEMの戦闘機が大軍で現れた。

「無駄話はお終いにしろ・・・敵さんとご対面だ、ブラックバード1ヘッドオン!!」

『ブラックバード2ヘッドオン。』

『ブラックバード3ヘッドオン!!』

「行くぞ・・・・ミサイル1フォックストゥー!!」

ケンのF−35Bから赤外線追尾ミサイルが発射されると他の戦闘機もミサイルを発射す

る。そしてミサイルはEMの戦闘機群に飛んでいき・・・・・爆発。しかしその爆発の煙を抜け

てEM戦闘機群は一気に接近してくる。

「各機、三機編隊で散開!!落とされるなよ!!ラン、ビオシーついて来い!!」

ケンのF−35は一気にEM戦闘機群に突っ込み、EM戦闘機の後ろにつける。

「まず一機目・・・・・。」

機関砲が火を噴きEM戦闘機を蜂の巣にする。すると前面からEM戦闘機が三機襲ってくる。

『私に二時方向の敵貰い!!いっくわよ〜♪』

『お、俺も十時方向の敵機に行きます!!』

ランとビオシーのF−22がケン機を追い抜き襲ってきたEM戦闘機の内の二機と戦闘を始める。

「やれやれ・・・・二機目!!」

交差するタイミングで機関砲を撃ちEM戦闘機をさらに一機落とした。

 

 

 

「戦況は?」

「α戦闘機編隊、ファーストコンタクト時に五機撃墜されました。数で徐々に押されています。」

「敵母艦は?」

「依然発見できず・・・・戦闘空域近くで偵察中のAWACSからも報告ありません。」

通信兵の報告に艦長席に座るウィルクスはため息をつきながら指揮を続ける。

「よし、レッドファング1を編隊長に一個編隊をα編隊の増援に送れ。β戦闘機編隊は引

き続き防空任務・・・・・イージス艦、ミサイル艦はミサイルによる長距離援護を続けさせろ。

同士討ちはしないように厳守させろよ。」

「了解。」

“いったいどこから・・・・・。”

ウィルクスは煙草の灰が床に落ちるのにも気がつかずに考えを巡らしていた。

 

 

 

第一話

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