バッドラック 〜another skill〜

バッドラック 〜another skill

 

 

第一話

 

「海中から対空ミサイル!?くそっ!!」

警報がケンの乗るF−35Bのコクピットに鳴り響く。F−35Bの後ろを3基のミサイルらしきものが追跡していた。

突然だった・・・無数のミサイルらしきものが海中から飛び出してきて次々と連合軍の戦闘機を落とし始めたのだ。

「チャフ!!」

いきなりF−35Bのエアブレーキが開かれ無数の金属箔がばら撒かれる。その中にミサ

イルが突っ込んでいくといきなり爆発を起こした。

チャフとはレーダの電波と同じ波長の金属箔を空中に散布して、レーダに拠る探知を妨

害する古典的かつ有効な電子戦術でミサイルの迎撃に使われる。

「これで・・・・・なっ!?」

煙の中から1基のミサイルが接近してきたのだ。

コクピット内の警報音がさらに騒がしくなりHUDのレーダーでも自機を表す三角にミサイルの丸がドンドンと近づきやがて重なる。

「チッ!!くそぉぉ!!」

 

 

 

 

「ハッ!?・・・・・はぁ・・・はぁ・・・・。」

ケンは身を起こし周りを見渡す。安物の机と椅子、湿気が感じられる・・・。

ケンは自分が船室にいることを思い出しため息をつく。

「またあの夢か・・・・・・・。」

ケンはタオルで汗を拭き軍服に着替える。そしてゆっくりと歩き出し階段を上り、重々しい扉を開く。

「朝・・・・か。」

扉の向こうは広いコンクリート、さらにその周りは海。そう、ケンは空母ロシナンテの甲板に立っているのだ。

地平線の向こうからは太陽が昇り始めていた。

逆の方向を見るとそこには横須賀の港が見える。

 

連合軍はハワイ沖の戦闘でEMに大敗し、わずかに生き残った艦と兵は命からがらも寄り

港である横須賀へと寄港していた。しかし警戒が解除されるわけでもなく船員や兵は自分

の所属する艦から地上に戻る事は許されていなかったのだった。

甲板の端に立ち、何も考えずにケンが朝日を見ているといきなり背中を押される。

「何してるんですか、大尉。」

「うおっ!!落ちる、落ちるう!!」

手をバタつかせ何とか甲板から海に落ちるのを免れたケンは自分を押した張本人に向き直る。

「危ないだろ!!ラン中尉!」

「クスっ、だってせっかく生きてこの船に戻れたのにくら〜い顔しちゃってるから。」

「確かに僕たちは生き延びましたけど多くの仲間を失いましたよ中尉。気分が沈むのもしょうがないです。」

二人が振り向くとそこには一人の金髪の青年が立っている。

「ビオシー准尉・・・・・。」

「ビオシー、貴方の言っている事は正しいわ。でもそんな気持ちじゃいつか堕とされる。それをよく覚えておきなさい。」

その時だ、静かだった横須賀軍港に警報が鳴り響く。

『緊急、緊急!!各員第一級戦闘配備・・呉軍港が敵飛行部隊によって奇襲攻撃を受けている。繰り返す第一級戦闘配備・・』

「来たな・・・行くぞ。」

3人がブリーティングルームに行くとすでに他のパイロットは席に座っていた。

急いでケン達も座るとウィルクスがボードを使用して作戦内容を話し出す。

「全員そろったな。では今回の作戦内容を伝える、戦闘機パイロット諸君はケン大尉を中

心に編隊を組みすぐにこの横須賀軍港に寄港している空母および、横須賀基地よりスクラ

ンブル発進。途中先行させている空中給油機にて給油をし呉軍港に向かってくれ。

先ほどから呉軍港と連絡がつかず詳しい敵戦力は分かっていないが呉基地守備隊が何とか持ちこたえてくれると思う。

急げ。敵さんをファイヤーボールに変えて来い、解散!!RTB。」

『R.T.B!!』

 

 

ロシナンテの甲板が朝とは逆にフライトクルーが走り回り次々と戦闘機が発進し凄まじく

騒がしい様相となっていた。フライトクルーの一人が叫ぶ。

「次、ケン機F−35B来るぞ!!用意!!第二カタパルトへ誘導!」

ケンの乗るF−35Bがゆっくりとフライトクルーの誘導でカタパルトの位置まで移動する。

隣の第一カタパルトにはラン機F−22がすでに発進準備に入っていた。

「滑走シャトル確認!!」

「OK、防炎壁(バリアー)上げろ!!」

「フライトクルーはピットへ。第一カタパルトのラン機F−22から飛ばすぞ!」

「第一カタパルト圧力上昇・・・・・70、80・・・グリーンゾーン。ラン中尉、打ち出し準備完了!!」

『打ち出してくれる?大尉、お先に!!』

「ラン中尉、グットラック!!GO!!」

ラン機がカタパルトで加速され空母から飛び立っていく。再びフライトクルーがピットか

ら出てきて騒がしく動き出す。

「カタパルトを戻せ!!第二カタパルトは?」

「グリーンゾーン!!ケン大尉、打ち出し準備完了!!」

『頼む。』

「ケン大尉、グットラック!!GO!!」

ケン機は加速され空へと飛び立つ。ケンが後ろを見るとドンドンと空母が小さくなる。

そして先行して空に上がっていたラン機やビオシー機など味方機に合流する。

「ブラックバード1より各機へ、これより呉軍港及び呉基地の援護にむかう。前回のこと

も考慮の上、海中にも注意を向けておくこと。以上、生きて帰ろう、グットラック!!!」

 

 

第二話

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