EARTHGUNS

A

 

 

『貴方、どうやってソレを動かす事が出来るの?』

「へ?」

突然の女性の問いに水無瀬が首を捻ると女性はディスプレイの向こうで険しい顔をする。

『どうしてアースを動かしてるのかと聞いているのっ!!

誰が動かそうとしてもうんともすんとも動かなかったその機体をどうして!?』

「い、いや、ディスプレイに触れたら起動したんだけど・・・・うわっ!!」

アースと呼ばれた水無瀬の乗るロボットは怪物の攻撃で倒れてしまう。

『っ!しょうがないわね。援護するわ!!』

白い戦闘機が怪物の気を引いている間に水無瀬は慣れない操作でアースを起き上がらせる。

「やるっきゃない!!行けっ、アース!!」

怪物にパンチを連続で当てて再び吹き飛ばす。

「よしっ!!・・・・・・効いてない!?」

アースのパンチを受けた怪物が無傷で砂煙の中から再び現れ、

不意に複数の腕でアースは四肢を掴まれ動きが取れなくなってしまう。

『聞える!?』

「捕まった!!どうしたら!?」

再びディスプレイの端に小窓が現れヘルメットを被った女性の姿が表示される。

『コクピット内に赤いスイッチがあるはずよ、探してっ!!』

そう言われてコクピット内に視線を巡らすとすぐに、誤って押さない様にガラスで守られた赤いスイッチを見つける。

「あったけどこれはいったい・・・・?」

『説明しているヒマは無いわ!!ムーンを視認できているわね!?』

「む、ムーン?月?月なんて・・・!?」

『今、貴方の上を飛んでいる白い戦闘機よ!!私が操縦しているの!!

私が合図したらその赤いスイッチを押しなさい!いいわね!』

白い戦闘機はアフターバーナーで加速し、高度を一気に上げると、アースの直情から垂直に落下してくる。

『カウントするわよ・・・5・4・3・2・1・今よ!!押しなさい!!』

「アー!もうやけくそだ!!」

水無瀬が思いっきりスイッチを押す。

すると軽い振動と共にアースの背部が勢いよく開き、

落下してきた白い戦闘機が開いた背部に入り込む・・・と同時に凄まじい光がその場を包む。

そして光がなくなり、ホワイトアウトしていたモニターが通常通りに戻る。

「・・・いったい・・。」

「ふぅ合体完了。ぶっつけ本番だったけどうまくいったようね・・。」

先ほどまで通信で聞えていた女性の声が背後から聞えて振り返ると

そこには先ほどまでディスプレイに映っていた女性がパイロットスーツにヘルメット姿で座っていた。

「ど、どうなってんだよ・・・。」

「どうって合体したよ、アース TYPE MOONよ。まったく。」

女性はヘルメットを外し、近くのコンソールを叩く。

するとディスプレイに現在の機体の状態が表示されていた。

「あ、あれ?俺が乗る前と機体の形が変っている?」

黒かった色は白銀に染まり、全体的に装甲をそぎ落としスリムになっていた。

両肩にはガトリング砲が、背中には三日月を模したブースターを背負っていた。

「だから合体!!日本人なのに日本語も分からないの!きゃあっ!!」

怪物の攻撃で機体は背中から倒れる。

「なんかさっきより弱くなってない?」

「合体するのは今日が初めてなのよ!!そんなこと知らないわ!」

起き上がったアースに怪物は容赦なく攻撃を仕掛けてくる。

「知らないって・・・うわっ!!」

アースに回避行動を取らせた水無瀬はあることに気づく。

“動きが合体前より軽い?”

そして水無瀬は家でやったことのあるロボットアクションゲームを思い出す。

装甲を厚く設定すると機動が遅くなり、機動を優先すると装甲は必然的に薄くなる。

「そういうことか・・・!」

銀色のアースは素早い動きで怪物の攻撃を素早く回避し、先ほどと同じように打撃を見舞っていく。

だが、やはり怪物にたいしてダメージを与えられない。

しかし回避を続けていると後ろに校舎や光也を背負う位置に立ってしまう。

「しまった!?これじゃあ避けられない!!」

「レーザー!!」

とっさに女性がコンソールを操作すると頭部から白い光の線が発射され、怪物の腕を一つ焼く。

「今よ、移動して!!」

「わかった!!」

光也や校舎に被害の無い場所まで移動する間も、肩にあるガトリング砲を女性が操作し、怪物を牽制する。

「私は武装の操作などをするから、貴方は操縦に集中しなさい!!」

そう言いながら女性はディスプレイに表示された武器一覧に素早く目を通す。

「キミっ、操縦用スティックにトリガーは付いてる?」

「付いているけどなんに使うんだ!?」

水無瀬の質問を無視して、女性は意を決してさらにコンソールを操作する。

「よし、いけるわ・・・・エネルギーチャージ開始!!」

するとアースの背中に付いている三日月のブースターがどんどんと光っていく。

「いきなり光りだした!?そうするんだよこれから!!」

怪物は何かを察知したように無数の触手のような手を全て銀のアースに向けて振りかざす。

「アースの右腕を思いっきり後ろに引いて!!」

女性の言われたとおりに操作を行うと、銀色のアースは正拳突きを放つ前の態勢になる。

「合図したら右腕を前へ繰り出し、同時にトリガーを引いて。いいわね?」

「わ、わかった・・・。」

「エネルギーチャージ完了・・・・行くわよ!3・2・1・・・。」

ブースターに集まった光は一気に右腕に映る。

「今よ!!」

「行けぇぇぇぇぇ!!」

右スティックを限界まで前に押し出すと同時にトリガーを引く。

すると光の集まった右腕が凄まじいスピードで弾丸のように飛び出し、迫り着ていた怪物の無数

の腕を薙ぎ払い、怪物の本体を貫通して巨大な穴を開けた。

そして倒れた怪物は爆発し、消滅した。

「す、すごい・・・。」

「アースのエネルギーを右腕に溜めて、右腕ごと放つ【ブレイクナックル】、このTYPE MOONの必殺技ね。」

水無瀬は校舎の方を確認すると多少壊れたもののたいしたことはなさそうな校舎と無傷の光也を見てホッと胸をなで下ろす。

するとどこから来たのか軍用車数台がアースを囲んでいた。

「水無瀬 翔君、悪いけど軍基地まで一緒に来てもらうわよ?」

「え?」

金髪の女性は戦闘のときと真逆の・・・冷静な口調で言い、水無瀬の後頭部に銃を突きつけた。

まだ空は白い・・・・。

 

 

つづく

第3話

 

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