我と異能者は陰と歩む
 

 

 

 

 


第一幕・・・影を狩るものたち

 

序章

 

「やれやれ、今日は大型か・・・・。」

リボルバー銃の弾倉を見て残弾を確認しながら黒い服に黒いコートを着て、背中まで

伸ばした髪を束ねたのが特徴的な男が呟くと、短い金髪の優男が軽々と両手に軽機関銃を

構えた。目の前にいる二階建ての建物ほどある黒い物体に向けて・・・。

二人とも腕に剣の突き刺さった黒い球体が描かれた腕章を着けていた。

「さっさと帰りたいよ。ちゃっちゃと終わらせようね!!」

東京・・・・なぞの大地震により破壊された・・・・・・。

人々は東京から離れ首都機能も関西へと移動していった。

そんな過去の大都市に大地震と共にある生き物・・・・いや、生き物と呼べるか怪しい

ものが蔓延る様になっていた。影としか言いようが無い闇であった。

大きさは小さなものから建物並みに大きいものまで出現していた。

そしてその影は・・・・・未だ東京に住む人々や東京の調査に来た政府の役人などを

食うということがわかってきていた。

国は調査や重要書類の回収などの安全性を上げるため、その影を狩る人々を武器配給と多

額の金を報酬にして募集した。

その募集に集った傭兵たちを人々は“ゴーストハンター”と呼ばれた。

ゴーストハンターは腕に剣の突き刺さった黒い球体が描かれた腕章を着けていた。

長髪男が銃を構えて“巨大な影”に走り出す。

「あ、ちょっと百志さん!!勝手に突っ込まないでくださいよ!!」

「うるせぇー永樹!!さっさと援護しやがれってんだ!!」

「あぁーもうっ!!百志さんは勝手なんだからなっ!!」

永樹と呼ばれた金髪男が軽機関銃を“影”に撃ち込むが、銃弾はすべて“影”の内部に

吸収されてしまった。

百志と呼ばれた男が突っ込んでくると“影”は腕をゴムのように伸ばして殴りかかる。

百志はジャンプしてそれを避け、逆にその腕の上に乗り、駆け上って“影”の頭部らしき

場所に銃弾を撃ち込むがやはり銃弾は吸収されてしまう。

自分に当たるのもかまわず“影”は自分の肩に乗っている形の百志を殴ろうとする。

百志はまた軽々とジャンプし“影”の巨体から飛び降りて回避し、永樹の隣に立つ。

「“吸収”の能力持ちみたいだね、どうする?」

「こっちもやるしかねぇだろ・・・・・。」

百志は銃をしまい、手に黒い皮製の手袋を装着して“影”に突っ込んでいき殴りかかる。

すると殴られた“影”は凄まじい力で地面に叩きつけられ、なお地面に沈んでいく。

「永樹、止めを刺せっ!!」

「まかせてよ!!」

目を瞑り永樹がそう叫んだ瞬間、地面に倒れている“影”がいきなりバラバラに切り裂かれる。

そしてなんとも言えないうなり声を上げ、“影”は消滅した。

 

影の出現とともに不思議な、魔法のようなものを使えるようになった人間が現れた。

原因は東京を襲った大地震にあると思われるが、詳しくは不明である。

 

「百志さん、そろそろ帰ろうよぉ!!」

「うっせぇな・・・・、一服させろ。それより組合に戦果報告をメールで送っとけ。」

百志は懐からタバコを取り出し口にくわえ火をつける。

「ぷはぁ〜、やっぱ仕事の後の一服はうめぇ。」

「うわ〜、百志さんオヤジくさぁ〜い。」

苦笑している永樹の後ろに素早く回った百志が永樹の首を絞める。

「てめぇ、死ね、死ね。」

「うわぁ〜ん、ぐるじい・・・はなじでぇ〜」

 

 

埼玉・・・・ゴーストハンター組合。

ゴーストハンターが銃器の配給と、“影”を狩った事による報酬を貰う場所である。

「はい、報告メールは受け取りました♪大型タイプ1体ということで報酬30万ですね。」

「あ〜い、ありがとさん♪」

受付嬢が笑顔で札束を取り出すとそれを受け取った永樹は枚数を確認する。

「おい永樹。“菊花”に行くぞ。」

「今日は豪華夕食だね!!」

 

 

 

食事処【菊花】・・・・。

「ちぃ〜す。」

百志と永樹はその店の扉を開けた・・・・直後・・・、何かがものすごい勢いで走ってくる。

「百ちゃぁ〜〜〜〜〜〜〜〜ん♪」

「おう、万里香・・・相変わらず元気だな。」

百志に飛びつこうとして逆に頭を掴まれ宙吊りになっているツインテールの少女。

万理香と呼ばれた少女は【菊花】の店員用のエプロンをしていた。

「こら、万理香。いちいち飛びつくんじゃない!まったく。」

そう言いながら調理場から店主が顔を出し苦笑すると永樹が札束を取り出す。

「あ、一茶さん♪今日は大物狩ったんで豪華にしたいんだけど〜」

「ほう・・・今日はちょうど鯛仕入れたからな・・・・刺身にしてみるか?」

万理香を床に下ろしタバコの煙を思いっきり吐きながらカウンター席に座り百志はニカッと笑う。

「おっ!いいねぇ〜今日は思いっきり飲むぜ!!」

百志がそう叫んだとき、再び入り口の扉が開く。

「なんだ、元気じゃねぇ〜か?なぁ、蒼実。」

「フフフ、元気なことはいい事ですよ、紅実姉様。」

二人の女性の声に全員が入り口を見るとそこには顔が瓜二つの女性が立っていた。

片方は柄が迷彩のズボンにTシャツ・・・髪の色は真っ赤で、

もう一人は着物を着て・・青い髪をしていた。二人とも髪型はポニーテールだ。

そしてこの二人も腕にゴーストハンターの腕章をしていた。

「そっちはどうよ?紅実。」

「ボチボチってとこだな、小物ばっかでつまんねぇ〜しよ。」

百志の問いに苦笑しながら赤髪の女性・・・・紅実が首を振る。

「蒼実ちゃん、一緒に食べようよ♪鯛だよ、鯛!!」

「あらあら、引っ張らないでくださいよ、永樹さん。」

永樹は蒼実の手を引っ張り、カウンター席に隣同士で座る。

「えへへへ、完成〜♪三つ網百ちゃん完成!!」

店長の一茶と談笑していた百志の後ろにいつの間にか回っていた万理香は、百志の長い髪

をいつの間にか三つ網にしていた。

「万理香、てめぇ〜!!人の髪でいたずらしてんじゃねぇ!!!」

「プププッ、似合ってんじゃねぇか、百志・・・ホント似合って・・プププっ♪」

「だぁぁぁぁぁぁぁ!!紅実!!笑ってんじゃねぇ!!」

「あ〜、盛り上がってるとこ悪いんだが・・・・・。」

一茶の一言でその場に居た全員が口を紡ぎ目線と耳を一茶に向ける。

「副業・・・・依頼が来てるんだがどうする?」

一茶がエプロンに付いているポケットから一枚の封筒を取り出したのだった。

 

 

第一章

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