GUARDIAN BULLET

GUARDIAN  BULLET

 

【LOAD4 血飛沫は近く、銃撃音は遠く・・・・・。】

 

 

 

『コチラ瑞冶っす、現在突入開始したっす。予定時刻にシステム室を占拠できるかは不明。』

「了解、通信終了。さて、そろそろこっちも派手に動こうかしらね。」

通信を終えた静流がそう言うと水沢とマック、蛇骨を含めた黒服の男達が集まり始める。

「じゃあこれから私達はさらに二手に分かれるわよ、第一班は私とマック、蛇骨。

第二班は水沢さんが指揮してちょうだい。」

「はぁ!?俺がか!!」

水沢が驚きの声を上げるが静流はそれを無視し説明を続ける。

「第一班は非常用階段を使い一気に展望台まで行く、とりあえず瑞冶達が引きつけて結構

数は減っているとは思うけど第二班は各階にスリーマンセルで移動、適当に暴れて階段か

ら敵の注意を引いてちょうだい、いいわね?」

「あぁ、もう!!わかったよ、やりゃ〜いいんだろ!!先行くぜ。そこの三人!!

このフロアに残ってくれ、残りはエレベーターと階段を使って移動する。静流、先に行くぞ!」

「ん、じゃあ囮役宜しく。」

水沢と黒服の男達はエレベーターと階段に消えていく。

「さてと、非常階段は・・・・・。」

「この通路の先だ、俺が先行する。」

マックが静流の前を歩き、後ろを蛇骨が歩き警戒しながら歩き出した。

 

 

 

【都庁第二庁舎】

「食いつきは思った以上っすねっ!!」

曲がり角にから上半身だけ乗り出してG3を乱射しまた隠れながら瑞冶が呟く。

瑞冶が隠れると同時に突入部隊の隊員が手榴弾を敵に投げ込み隠れる。

そして爆発・・・・瑞冶と突入部隊は一気に身を乗り出し爆発の煙の中に突入する。

そのまま敵を突破し瑞冶は階段で立ちはだかっていた敵二人を撃ち抜き、後ろに続いてい

た突入部隊に先行するよう合図を送る。突入部隊の先頭に居た突入部隊の

隊長が階段を上がったとき何かが足元に転がってくる。

「手榴弾!?」

爆発とともに隊長は吹き飛び瓦礫で階段が塞がってしまう。

「階段が塞がれちゃったっすね・・・・・そこの二人は俺っちとエレベーターで先行、残りは警

戒しながら非常階段で上ってくださいっす。」

そして瑞冶は隊員を二人引き連れてエレベーターに乗る。

「あ、隊員さん手榴弾持ってるっすか?」

「え、はい。」

瑞冶は隊員から手榴弾を受け取り懐からタイマーを取り出し、いじり始める。

そして一通り終わるとそれをエレベーターの床に置きエレベーターの上昇ボタンを押す。

ゆっくりとエレベーターが上がり始めるが目的の階の直前で瑞冶は緊急停止ボタンを押す。

「な、何をしているんですか!?」

隊員の問いに瑞冶は天井の作業用の小さな扉を開けながら答える。

「ん〜まぁ絶対にエレベーター乗り場の前で敵さんは待ち伏せしてるっすよ。

なんでそれを逆手に取るッす。とりあえずお二人ともエレベーターの上に上がるッすよ。」

そして上ってきた隊員二人に隣の下り用エレベーターのロープを掴むように指示する。

「さて、といくっすっよ!」

瑞冶は銃でエレベーターのボタンのある部分を撃ち抜き、

急いで隊員のぶら下がっている下り用エレベーターのロープにぶら下がるとユックリと先ほどまで

乗っていた上り用エレベーターが上の階へと上がって行った、瑞冶即製時限爆弾を乗せて。

それを見送った瑞冶は少し下まで慎重に下り適当な階の扉を素手で開けて降り一言。

「それじゃあ扉から離れてっす。」

そして上層階からの爆音と振動が瑞冶達に伝わってくる。

「それじゃあ非常階段チームに合流するっすよ、急ぐっす!!」

 

 

【非常階段、展望階】

「さて、と・・・水沢さんも瑞冶も注意を引いてくれたから非常階段は人っ子一人いなかった

わね・・・。それじゃあ行くわよ。」

静流が言うとマックと蛇骨が頷き展望室を覗き込むが暗くなっておりよく見えなかった。

静流が手で合図を送り、頷いたマックがまず部屋に、続いて静流、蛇骨が入る。

しかし全員が展望室に入った瞬間扉が閉まり暗かった部屋に光が灯る。

「まったく・・・たいした歓迎ぶりだな、静流。」

「そうね、マック。クソ生意気に待ち伏せなんて。」

目の前にはM14を静流達に向けて構えた男達、そしてその後ろには作戦前に

近田に見せられた写真に写っていた男、群雲が立っていた。

「ようこそ、ガーディアンの諸君、歓迎するよ。」

「で、知事はどこかしら?」

「さぁ〜な、お前達に教えたって無駄だろう?」

「私達の行動、読んでたんだ?」

「ああ、この庁舎の各階で戦闘している奴らも、第二庁舎で囮部隊として戦う警察部隊も

今頃地獄に行っているだろうよ。」

“それじゃあ”といい静流は話を変えながら右手を後ろに回し無線機を掴む。

「仮面の男とはどういう関係?」

「それも言ったとしても無駄だ。お前達は今、ここで死ぬんだからなぁ。」

群雲がそういった瞬間静流の持っていた無線機が鳴る。

「その無線機、こっちに渡してもらおうか?」

「その前に・・・・・。」

静流はニヤつきながら無線をONにする。

「あ〜あ〜、地獄に行った瑞冶さぁ〜ん元気ですか?」

ふざけた口調で静流が言うと無線から瑞冶の声が聞こえる。

『もしも〜し、コチラ地獄、俺っちも突入部隊も元気っすよ〜。』

瑞冶の声の背後では突入部隊の勝鬨とも言える歓声を上げている。

それを聞いたあと、静流は無線の周波数を変える。

「え〜、地獄、針山頂上にいる水沢さん、聞こえるかしら?」

『おう、聞こえるぜ〜、そういや〜各階にいたテロ犯たちも地獄に行ったけどなぁ〜。』

“以上、地獄よりのレポートでした”とふざけ気味に無線を切り、群雲に投げる。

「ふむ、では地獄からのプレゼントを頂くとするか。」

マックが言うと蛇骨は懐から軍事ナイフを二本取り出し両手に持ち構える。

「抵抗するのか?無駄な・・・・。」

群雲がそう言った瞬間、展望室の電気が消える。

その時まず動いたのは蛇骨、素早い動きで暗闇の中困惑するテロ犯たちに接近し暗闇の中

正確に首を斬り絶命させる。やっと残ったテロ犯達が銃を乱射するとマックが防弾コート

を翻して銃弾を防ぎつつ背中から自動小銃を二丁取り出し乱射する。

「クソッ!!」

身を低くしてなんとかそれを避けながら群雲が発砲時の光を頼りに銃をマックに向け撃つ

と静流が素早い動きで間に入り防弾コートで銃弾を弾き、逆に散弾銃を撃ち、群雲の持っ

ていた銃を弾き飛ばす。

 

十数秒後・・・再び電気がつく。

展望室には銃弾に撃ちぬかれ、また軍事ナイフで首を裂かれ絶命しているテロ犯達の姿。

そして何故か半開きになっている展望室の扉。

静流は親指で半開きになった扉を指すと蛇骨とマックは頷きその扉から出て行く。

静流はユックリと地面に落ちていた無線機を取り出しONにする。

『どうだったっすか?電気はちゃんと消えたっすか?』

「消えたわ、大体片付けたんだけど群雲に逃げられた、おそらく人質を盾にしようと

人質を隠している場所に行っているだろうから蛇骨とマックが追っている。私も追うわ。」

『了解っす、俺っち達も後から行くっす。』

銃撃音が聞こえたため静流は無線を切り走り出す。銃声はさらに上層階、知事室のほうか

ら聞こえたため一気に階段を駆け上ると知事室の扉が開いており中では知事に銃を突きつ

けた群雲とマックたちがにらみ合っていた。

「やっぱりそういう手段に打って出たわけね・・・・・。」

「悪いな、まだここで捕まるわけにはいかないんだ・・・・・。」

群雲がそう言うと蛇骨が苦笑しながらナイフを持ち構える。

「捕まる?何を言っている?」

次いで静流も愛銃を構える。

「うちの依頼人に手を出したんだから当然よね。」

群雲がゆっくりと後ずさりそのまま背中を窓にくっつける。

その瞬間凄まじいプロペラ音と共にいきなり窓の外に戦闘ヘリが現れる、パイロット席には脱出したはずの仮面の男が座っている。

「あんのぉやろっ!!」

静流はそう言い急いで知事室から飛び出るとマックと蛇骨も続く。そして3人が知事室か

ら脱出した瞬間戦闘ヘリに装備されていたチェインガンが火を吹き嵐のように知事室を破

壊しその場にいて状況をつかめていなかった群雲と人質にされていた知事が蜂の巣になる。

数秒後、銃撃の止んだ知事室を静流が覗くとそこには無残な姿になった群雲と知事の姿。そして窓の外には戦闘ヘリの姿。

「やってくれたわね・・・あの仮面野郎・・・・・。」

そう呟いた時、静流の持っていた無線に通信が入る。

『どうも、ガーディアンの諸君。』

「仮面の男・・・・、どういうつもりかしら。あんたは群雲に武器供与してたんでしょ。

こんなあっさり捨てるとはね。」

『私もビジネスをしているんだ、いらない者を捨てて何が悪い?おっと自己紹介が

遅れた、私は吉澤。もちろん本名ではないがね・・・・。』

意を決したようにマックが再び知事室に突入し自動小銃をヘリに向け乱射する。

『ハッハッハ、勇ましい事で・・・。それでは私はこれで失礼する、また会うときを楽しみに

しているよガーディアン諸君・・・・・・。』

ユックリと仮面の男・・・・吉澤の操縦するヘリは庁舎から離れていった。それと同時に瑞冶

達が静流の方へ走ってくる。それを見て静流はため息混じりに頭を押さえた。

「遅いわよ、バカ・・・・。」

 

 

数十分後・・・・・。都庁前広場

 

「なるほど。」

近田は静流の報告に軽く頷きノートパソコンに詳細を打ち込んでいく。

「それにしても・・・・・・・。」

「?」

近田は打つのをやめ、いつもの笑みとは違う残虐な笑みを浮かべる。

「うち(蒼威警備保障)にケンカ売るとはいい度胸ですね、吉澤って野郎は。フフフフフフフフフフ♪」

その笑みに近田の周りに集まっていた水沢や静流、瑞冶を含めたガーディアン達が青い顔

をして一歩後退する。すぐに近田は普通の笑みに戻り“そういえば”と思い出したように

ガーディアン全員を見回し痛恨の一言を放った。

「依頼人死んじゃったんでお金貰えなかったんです。なので皆さんの給料から差っ引きますので♪」

『なにぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!』

“決定事項ですのでヨロシク♪”と言い残し近田は車に乗って去っていく。

その場に残ったガーディアン達・・・・・・・、

マックは柄もなく膝をついて泣き崩れ、蛇骨は“近田殺す近田殺す・・・”とブツブツ繰り返

し静流は瑞冶をストレス解消代わりとでもいうかのように苛めている。他のガーディアン

達も様々な行動で悔しさや悲しさを表現している。唯一蒼威警備保障給料事項に関係ない

水沢は取り残されたように呆然とした後、周りを見回し懐から財布を取り出し中身を見て

から呟いた。

「まぁ、今夜はガーディアン諸君にラーメン一杯くらいなら奢ってやるからそう落ち込むなよ・・・・・な?」

 

その発言の後、感動したマックに全力で抱きしめられ水沢が圧死しかけた事は言うまでもない。

 

 

次の日・・・どのテレビ局のニュース番組もトップでこの事件を報道した。

『・・・・以上都庁前からお送りしました。では今入ったニュースです。昨夜の事件の時都庁

に不審な戦闘ヘリが目撃されたとお伝えしましたが、そのヘリが今朝、東京湾に墜落して

いるのが発見されました。搭乗者は発見されておらず海上保安庁が捜索を進めています。』

 

 

 

LOAD5

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