GUARDIAN  BULLET

 

【LOAD5 銃は弱く、情報は強く・・・・・。】

 

 

 

 

「まったく、水沢が今日は署に一日いて護衛必要なくなったから久々に休めると思ったのに・・・・・。」

「そうっすねぇ〜、近田部長・・・なんの用っすかね。」

静流と瑞冶は部長室へ続く廊下を歩く。そして部長室の前まで来ると静流はハァとため息をつき部屋に入る。

「よく来たね、静流、瑞冶君。」

机の上で腕を組みいつもの笑みを浮かべた近田を見て瑞冶は頬をポリポリと掻きつつ口を開く。

「え〜と、で姉御と俺になんの用っすか?」

「ふむ、それなんですけどね。最近あなた達も含めて我が社の護衛任務の多くで我々ガー

ディアンが後手に回っています。つい先日も待ち伏せに会い護衛任務に付いた二人のガー

ディアンの内一人が死亡、一人は軽傷でした。」

「つまり・・・うちの情報が洩れているって事でしょ。」

静流の言葉に近田は“ご名答”と笑みを深くする。

「まぁ情報漏れに関しては内部調査部に任せるとしてですね、死亡したガーディアンの次

の仕事を一時的にあなた達に任せたいと思ってね。

どうせ水沢さんは『赤い月』の件以来手がかりが見つからないんで動きが取れないんですからちょうどいいでしょう?」

その言葉に静流は両手で頭を抱えて唸る。

「この部長に“部下に休暇を与える精神”はないのかしら・・・・・」

「ないみたいっすね・・・・はぁ〜・・・・・。」

その時だ、不意にドアが開き一人の男・・・マックが入ってくる。

「軽傷のガーディアンってマックさんのことだったんっすね。って事は・・・・死亡したガーディアンって!?」

「蛇骨だよ、瑞冶。部長、俺もこの仕事に就く。いいな?」

「しかしね、マック君。君はまだパートナーを亡くした精神的なダメージがあると医師か

らストップをかけられているんですよ。」

近田の言葉にマックは首を振る。

「部屋に一人でいるより仕事に就いた方が気が紛れる。頼む近田部長。」

近田は“しかし”と食い下がるが静流がため息をもう一度つき口を開く。

「狐目部長・・・アンタの負けだと思うわよ。いいんじゃない、本人が仕事したいって言って

るんだから。で、今回の仕事は?」

近田は諦めたように机の引き出しから書類を取り出す。

「竹内製薬知っていますか?」

「確か外資系とくっ付いて最近急成長した製薬会社っすよね?」

「そうです、つい最近竹内製薬は新薬を開発しましてね。まぁ誰が予想してもぼろ儲けできるようなものなのですが、

他社が傭兵部隊を雇ってその新薬を奪取しようと計画しているとかいうふざけた情報が入ったとかで我が社に新薬の護衛を

依頼してきたのです。大概このような傭兵部隊だとか奪取だとか・・・そういう情報はガセが多いのですが、

国の新薬の認定までは竹内製薬も敏感なんでしょう。」

 

 

 

数時間後・・・・某山間部・・・竹内製薬新薬研究所

山に囲まれた場所に建つ白い建物・・そしてそれを取り囲む白い防壁。

「ふ〜ん、こんだけ警備がいるんだったら私達要らないんじゃないの?」

「そうっすね〜、ここの警備員、銃の携帯も認められてるっぽいっす。」

「そうだな・・・。」

静流達は白い建物・・・新薬研究所の入り口で警備の様子を見回しながら話していると一人の白衣姿の男が歩いてくる。

「ようこそ新薬研究所へ、ガーディアンの皆さん。」

「あなたがココの責任者?」

「ああ、所長をしている。ではコチラへ。」

所長と名乗った男は明らかに迷惑そうにそう言い研究所内に入っていく。

おそらく所長自身はわざわざ外部の警備会社を入れる必要などないと思っているのだろう。

所長に続いて静流達が研究所内に入ると防護服を来た男たちがガラス張りの個室で作業をしているのが見える。

少し廊下を歩くと指紋認証など厳重な防犯装置の付いたドアが現れる。

「この中に護衛してもらう新薬がしまってある。ちなみにここに入れるのは私だけだ。

とりあえず研究所内はこちらの武装警備員が警備するので君たちは研究所の入り口付近で護衛していただきたい。」

それだけ言うと所長はその場から歩き去っていく。

「愛想がないっすね、あの人。」

「しょうがない、ガセのほうが可能性が高い情報に社の上層部が踊らされあまり関係者以外を

入れたくない自分の施設に入れなくてはならないのだからな。」

「ふ〜ん、変なプライドたこと・・・・。」

そう言って静流が外を見るとちょうど雨が降り始めていた・・・・。

 

 

数時間後・・・・。

「ふぁぁぁ〜暇だな、オイ。」

警備員の男は研究所の検問所の椅子に座り雑誌を読んでいたが視線を上げ外に立つ仲間の

無線に目線を強化ガラス越しにそこにいるはずの仲間に向けるが・・・・。

「そうだな・・・って、どこ行ったんだ?」

無線で言うが反応がない。警備員の男は銃を持ち警戒しながら検問所の扉を開け外に出る。

すると木の幹に寄りかかっている仲間を発見し肩を叩く。

「寝てるのか?・・・・・・・・・・っ!?」

肩を叩くと仲間はそのまま崩れ・・・倒れる。よく見ると首には鋭い刃物による切り傷があり、地面には血が広がっていた。

警備員の男は右手に銃を持ち左手に無線を持つ。

その時だ、警備員の男の前に迷彩服に覆面で顔を覆った男がナイフを持って立っていた。警備員の男が無線を使おうとした瞬間迷

彩服の男が警備員の男の視界から消える。

「逃げたのか!?・・・・・あれ?」

警備員の男は左手に違和感を感じ見てみると左手の手首から先がなくなっていた。

足元を見ると無線機を握ったままの左手が落ちていた。警備員の男の背後にいつの間にか迷彩服の男が立っていた。

「うわぁぁぁぁぁぁぁ・・・・あ。」

迷彩服の男に銃を向けようと振り返った瞬間・・・・警備員の男の喉下に迷彩服の男の投げた

ナイフが突き刺さり、警備員の男は絶命し、水溜りに音を立てて倒れる。

迷彩服の男は覆面を外し顎髭の特徴的な顔を晒し、懐から無線を取り出す。

「検問所制圧・・・・トラックを入れろ。」

『了解。』

迷彩服の男の横にどこからか走ってきた軍用トラックが止まる。

男は助手席に座ると運転席にいた同じ迷彩服の男が口を開いた。

「では作戦開始します、カルニフ隊長。」

「ああ。」

トラックが研究所敷地内に入っていった。先の波乱を予感するかのように雨脚がさらに強くなっていった。

 

 

日本国際空港

 

空港を歩く三人がいる。一人は黒い長髪の男でもう一人は短髪の優男、

そしてボーイッシュな髪型に右目を包帯で隠した女。

ふと長髪の男が周りを見回しつつ呟く。

「九年ぶりか?」

「正確には八年と五ヶ月です、Willkommenes Heim(お帰りなさい)、お三人方。」

そう言いつつ三人の目の前に一人の男が現れる。

すると短髪の男が笑う。

「おひさしぶりだねぇ〜近田さん。まだ、公安にいるの?」

「いいえ、今は警備会社の部長です。静流も今は私の部下です。」

「お、あの穣ちゃんお前の下で働いてんのか。」

長髪の男が苦笑を浮かべる。

「で、私たちを呼び寄せた理由は?」

女が尋ねると近田は真剣な眼差しで三人を見る。

「九年前、殺したはずのが最近再び現れました、服装は違いましたけどね・・・・・・。」

「ちっ!諦めの悪い野郎だな・・・。」

「まぁ、詳しい話は車内で・・・こちらへ。」

三人は近田と共に車に乗り込み、東京へと向かっていった。

 

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