ガンダムSEED INNOCENT
 

 


ガンダムSEED INNOCENT

 

 

C.E.70・・・。「血のバレンタイン」の悲劇によって本格的な武力衝突へと

発展したザフト・地球連合の戦いは熾烈を極め、多大な犠牲を払いながら第二次ヤキン・ドゥーエ攻防戦ののちに停戦条約が締結された。

しかしこの停戦条約によってナチュラルとコーディネイターの争いの火種が消えたわけで

はなかった・・・・・。その後C.E。73・・・・・・・プラント「アーモリーワン」でその事件は起きる。

 

 

 

 

 

 

ザフトのプラント「アーモリーワン」、ドックには様々なMSが並ぶ。

並んでいるMSのうちの一機ザクのコクピットで一人の青年が

様々な機器を操作していた。

「うう、タルイ・・・・タル過ぎるよ、ザクのシステムチェック。」

「しょうがないだろう、これしなきゃ戦闘で何か故障が起きても文句いえねぇんだからよ。」

「確かにそうだけどな、ウィリス。こういうのはお前みたいな整備兵がやることだろ?」

コクピットを覗き込む整備服の青年・・・ウィリスはコクピット内で作業している青年の

言葉に苦笑を浮かべる。

「何言ってんだ、パイロットの操縦感覚に設定をあわせるにはパイロットがシステムチェ

ックするのが一番なんだよ、ミルズ。それよりさ、このプラントで新造艦の進水式がある

らしいぞ。しかも新型MSもあるって噂だ・・・・そのMS・・・驚きや驚き・・・・」

「【G】だろ?」

「おいおい、知ってるのかよ!!」

「まぁな・・・・・うちのクソジジイもその関係の仕事してるしな。」

「そっか、お前の親父さんは・・・・ってまぁそれは置いておいてだな、見に行かねぇか?」

「あ、遠慮しておく・・・・・興味ないし・・・・・・。」

「オマエなぁ〜、何でも興味ない、じゃあそのうちバカになるぞ。」

「しるか、んなもん・・・・・!?」

その時その場を激しい揺れが襲う。

「なんだ!?」

『第一級戦闘配置、何物かに新型MSを奪取された。犯人は奪取したMSで中心部を襲撃

中!可動可能なMSは緊急出撃せよ!!』

「ったく、次から次へとメンドクセェ―!!」

「おい、ミルズ!!」

出撃準備のためにコンソールをいじるミルズにウィルスがヘルメットを投げる。

「サンキュ、ウィルス。んじゃ出撃する・・・。」

「OK・・・・死ぬなよ」

そういってウィルスが機体から離れるとミルズはコクピットを閉じる。

基地内の通信管制から通信が入る。

『奪われた新型MSはかなりの性能です、出来るだけ捕獲を心がけてください。決して無

理はしないでください。ブレイズザクファントム、出撃どうぞ!!』

「ミルズ・・・ブレイズザクファントム出る!!」

背中のブースターを吹かせ、一気に加速してプラント中心部に向けて発進する。

『先輩。』

ミルズ機の後ろからガナーザクウォーリアが大型ビーム砲を右手に構えて追いついてくる。

ミルズは聞き慣れた静かな声に通信をONにする。

するとサイドスクリーンにパイロットスーツにヘルメットを被った銀髪の女性が映る。

「キッカか?」

『先輩、先行しないでください、危ないです・・・・・襲撃犯が乗っているのは新型MSなんですから。』

「大丈夫だろ、もう他のMSも現場に着いているだろうし。」

『そういう油断が死につながりますよ。』

「はいはい、後輩の忠告ありがたく受け取っておくよ。」

そんな話をしている間に基地施設などの町並みが見えてくる。

『もうすぐ現場ですね・・・・・・・。』

その時近くで爆発が起きる・・・・・。

「うへぇ〜まだ現場じゃねぇよなぁ〜、すっげぇ嫌な予感・・・・・・。

もしかしてもうここまで戦域が広がってんのか?」

『そんなはずは・・・・・・、あれは!?』

ある一角の巨大な倉庫の一つから煙が上がっている。

「うわぁ〜嫌な予感的中・・・・・クソジジイのMS研究所じゃん。」

『え、先輩の父親さんの?』

「ああ、変な親父でなぁ〜、接近戦こそMSの花とか言って、結局MSの選考で

落とされるんだよ、クソジジイの設計したMS。なんせビームライフルすら標準装備

にしてないMSだぞ、ありえるか?」

『完全接近戦仕様ですか・・・・・、あの爆発した倉庫から出てきたMSみたいな・・・。』

「そうそう、あんな・・・・・うへっ!?」

爆発した倉庫から黒いMSが出現し背部の大型ブースターを使い一気にミルズ機に襲い掛

かる。黒いMS頭部はモノアイではなく二つのメインカメラであった。

「“G”か!!早い、クソッ!!」

ミルズ機がビームライフルを撃つが異常とも思えるスピードで避ける。

『敵機と判断します・・・・・このっ!!』

横からキッカ機の大型ビーム砲が黒いMSとミルズ機の間に割ってはいる。

すると黒いMSは軌道を変え、背部からビームサーベルを取り出し、キッカ機に襲いかかる。

『くっ!!』

キッカ機は肩部シールド内からヒートホークを取り出し、ビームサーベルを受け止める。

黒いMSは蹴りを繰り出し、キッカ機を吹き飛ばしそのままの勢いでキッカ機のヒートホ

ークを持っていた右腕を斬り捨てる、そしてビームサーベルを水平に構え直す。

狙いは・・・・・・・・・・・・・・

「コクピットかっ!?」

ミルズ機はキッカ機を蹴り飛ばす。

『先輩!?』

「くそったれぇ!!!」

キッカ機に突き刺さるはずだった黒いMSのビームサーベルがミルズ機のコクピット横に突き刺さる。

警報がコクピット内に鳴り響き、高度がドンドンと下がっていく。

そんなミルズ機を助けようとキッカ機が接近してくる。

『先輩、先輩!!』

「来るな、お前も落とされるぞ!」

『でも!!』

「通信で本部に増援を呼んで、あのMSからは距離を取って戦え。いいな?」

キッカの声をきかずに通信を切り、動かないメイン以外のブースターを吹かし

地面への激突する速さを落としていく。

「っ!!」

そしてミルズ機は轟音を上げて地面に激突する。なんとか衝撃に気を失わなかった

ミルズは首を振って意識をハッキリさせてコクピットのハッチ強制排除レバーを引いて

外に出る。上では何とかキッカ機が黒いMSと距離を取って健闘しているのが見える。

「ミルズ、お前ここで何してんだ?」

その言葉にミルズが振り向くとそこにはサングラスをかけた初老の男が立っている。

「クソジジイ・・・また面倒なもん作りやがって、あれは一体何なんだよ!!」

「そんなもん決まっているだろうが、ワシの傑作一号機“スパイラル”だ。機動性と接近

戦だけに観点を置いた素晴らしいMSだな。」

「んでそのスパイラルが何でこの倉庫ぶっ壊して、しかも俺たちを襲ってくるんだ?」

“ん〜”と唸ったあとミルズの父は一言。

「奪取された、てへ♪」

「テヘ♪じゃねぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」

叫び、父の事を人生最高の蹴りで蹴り倒すミルズ。

「おう、親に蹴りをするとはなんちゅう子供だっ」

「やかましい!!奪取されたのにのんびり構えてんじゃねぇよ!!」

「心にゆとりを持たんといかんぞ、ミルズ。中心部でも三機のGが奪われたというしなぁ〜」

「ってそうだ!こんなところで時間を費やしている暇は無い!!基地に戻って代わりのMSで出撃を・・・・・・」

思い出したように走り出すミルズの襟首を父が掴み思いっきりミルズの首が絞まる。

「少し待たんか、不良息子。いちいち基地に戻らなくたってここに一機あるぞ。」

「何いってんだ?」

“いいから来い”といい、父が半壊した倉庫の中に入っていく、ミルズが着いていくとそこには・・・・。

「G?」

「ワシの傑作2号機だよ。コンセプトは一号機と同じだが背部ブースターを

大型1個から中型2個にしたり専用のヒートソードを標準装備にしてある。」

目線の先には白いMS、かなり無駄な部分を落とした軽量タイプなのが見て取れる他、機

体の横には機体と同程度の大きさのソードがあった。

「コイツの名前は“クロニクル”、物語という意味でつけた名前だ。コイツをお前に貸してやる。」

「“クロニクル”・・・・・・・・、悪い、借りるぞ。」

コクピットに入るとすぐに父から通信が入る。

『OSもお前に合わせて設定しているはずだ。ただしザクやジンと同じだと思うなよ。

油断しているとすぐに操縦ミスを起すぞ。出力が桁違いだからな。』

「わかった、クロニクル、発進する。」

クロニクルは大型ビームソードを取り、倉庫から出る。そして中型ブースターが起動する

と一気に加速する。

「クッ!すごいG(重力)だ・・・。」

 

 

「クッ・・・やられてたまるかっ!!」

キッカ機は大型ビーム砲を撃つが、黒いMS・・・・スパイラルは大型ブースターを吹かし

回避し一気に接近してビームサーベルで大型ビーム砲を斬り捨てる。

「このぉぉぉぉ!!」

キッカ機は斬られたビーム砲をスパイラルに投げつけ、次いでヒートホークをブーメラン

のように投げつける。ビーム砲が爆発し黒煙が上がり、その中にヒートホークが飛び込んでいく。

「これで・・・・・・!?」

しかしキッカの予測は外れ、煙を抜けてスパイラルが突っ込んでくる。

「これまでですか・・・・・・。」

そう思った瞬間、白い機体が間に割り込み、スパイラルのビームサーベルを大型ヒートソ

ードで受け止めていた。

『大丈夫か、キッカ。』

「先輩、その機体は!?」

『話は後だ、ここは俺に任せてお前は一旦ドックに戻れ、そんな状態じゃ戦えないだろう?』

「すいません、お願いします!!」

 

 

スパイラルのビームサーベルをヒートソードで受け止めながらキッカ機が離脱していくの

を見送ると、一旦スパイラルと距離を取り、態勢を整えヒートソードを構えて突撃する。

スパイラルはビームサーベルで受け止め、空いたもう片方の手でもう一本のビームサーベ

ルを振りかざし、それを避けるためにクロニクルはまた距離を取る。

「きついな・・・・まったく・・・・。」

クロニクルは肩部からビームブーメランを取り出し、投げるがスパイラルは避け、

右腕を掠るにとどまった。一気にスパイラルは接近してビームサーベルを振りかざしてくる。

「っ!!」

ミルズはクロニクルの頭部機関砲を乱射しスパイラルを怯ませてビームサーベルを捌く。

「このっ!!」

スパイラルの右腕を斬り捨てる、しかし左手に持つビームサーベルで二撃目は防がれる。

『二号機か・・・やるな。』

「なっ!?スパイラルからの通信?」

『先輩っ!!』

いきなりのスパイラルからの通信に驚きの声を上げると同時に他のMSを連れてキッカの

ザクが増援に現れる。

『潮時だな・・・・・、また会おう、二号機のパイロット君。』

大型ブースターを吹かし、一気にその場を離脱する。

「待てっ・・・・・え?」

警報が鳴るので各機器を見ると一つの機器が点滅している・・・・エネルギーメータ。

「うへ、エネルギー切れ・・・・・・キッカ、お前らは追ってくれ。」

『了解、行きますよ!!』

ゆっくりと地面に着地し、コクピットを開けると上をキッカ機他複数のMSがスパイラル

追跡に飛んでいく。

「あ〜、もう何がなんだか・・・・・ワケわかんねぇ・・・・」

ミルズはその場に座り込み頭を抱えた。

「お〜いバカ息子、すごいじゃろ〜わしの傑作機!!ってそんなコクピットから飛び降りるのか、おい!!」

「すごいじゃろ〜じゃねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」

コクピットのから飛び降りたミルズはそのまま下にいる父に落下のスピードを生かして

ドロップキックを見舞う。

「うがぁっ!!なにをすんだ、ぼけぇ〜!!」

「なにすんだじゃねえ、なんだこのクロニクル、クソ高性能なクセしてビームライフルも

標準装備にしねぇ、少しは考えろ!!」

「やかましい!!手ごろな奴がいないんでお前用にOSを設定してやったんだ。それだけ

でもありがたく思え、ほれ通信入っとるぞ!!お前の上司のあのゴッツイ男からだ。」

「あぁ、クルーガー隊長ね、メンドクセェ〜」

『ほほう、目の前で選考で選ばれなかったとはいえ開発された最新機を奪取されてしまっ

た奴がメンドクサイと言うか?え?ミルズ。』

「うう、それはクロニクルに射撃系の主武装をつけなかった親父に言ってください。」

『クロニクル?奪取されたMSの二号機か?』

「ええ、それよりキッカ達がスパイラル・・・奪取された一号機ですね、を追って行った筈ですが・・・・。」

『中心部で行われた戦闘で外壁に空いた穴から逃げられたよ、その後は不明だ。

中央ではガイア、アビス、カオスが所属不明の輩に奪われるしこのプラントの防衛戦力は

がた落ちだ、頭が痛い。』

「ご愁傷様です。で、その逃げおおせた所属不明の輩を追跡する任はどの隊が?」

『新鋭艦ミネルバがその任に付くそうだ・・・・あの艦は早いし、エリートぞろいだ。きっと

奪い返してくれるだろう。』

「俺はどうすれば?」

『とりあえずクロニクルは軍が接収し、正式にザフトのMSとする。パイロットは、お前だミルズ。』

「こんな格闘堅気な機体に乗るなんてゴメンですよ!!」

『まぁそう言うな、軍のドックでビームライフルくらい装備できるようにしてやる。

とりあえずドックに戻れ、わかったな?』

「了解・・・・・っつうことでクロニクルは持っていくぞ。」

振り返ると父はいきなり何かファイルを投げ渡す。

「スパイラルとクロニクルの設計に関する詳細が入ってる。必要だろ。」

「ああ・・・・・サンキュ。」

しかし普段と違い父の顔が暗い。

「どうした、親父。」

「いや・・・スパイラルの他にもガイア、アビス、カオスも奪われるか・・・・

どうも嫌な予感がする・・・・気をつけろよ、ミルズ・・・。」

「あ、あぁわかった。」

 

そのごミルズがドックに戻りクルーガーから聞く言葉に耳を疑った。

「安定軌道上にあったユニウスセブンが進路を変え、地球への落下コースに入った。

下手すると、また戦争が始まってしまうかもしれない・・・・・。」

 

 

PHASE-02

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