PHASE-02【戦火の幕開け】

PHASE-02【戦火の幕開け】

 

 

ミルズとクルーガーはドックにあるクロニクルとその横に並ぶ三つのビームライフルを見上げる。

「このビームライフル、他の奴とは少しタイプが違うんですね?クルーガー隊長。」

「ああ、ザク用のビームライフルの改良版なんだがな、エネルギー面などでザクの装備

としては不向きと判断されたんだが、クロニクルなら大丈夫だろう。3タイプあるから使い分けてくれ。」

「了解。で、奪われたGは?」

「襲撃犯の母艦を追っていたらしいんだがデブリ帯で痛み分けに終わって、逃げられてしまったらしい。」

「そうですか・・・・・・・。」

「今は別に俺たちにはもっと重要な任務がある・・・・・・・・。」

「ユニウスセブンですか・・・・・・・。」

停戦条約締結の地であり、血のバレンタインの悲劇の舞台・・・・・・・、ユニウスセブン。

そのユニウスセブンが安定軌道を外れ、地球に落下し始めたとの報告が来ていたのだ。

「これよりクルーガー隊はジュール隊と合流し、ユニウスセブンの破砕作戦に参加する。

この作戦が失敗すれば地球に多大な被害が及ぶことも予想される、心しろよ。」

「うっす、了解〜。」

「それにしてもこんな高性能機をなぜ議長達評議員は採用しなかったんだろうな。」

「そんなもん決まってるじゃないですか。射撃武器が無い時点で実戦向きとはいえないでしょう。」

「・・・・・・・・・ふむ・・・・まぁいい・・・・ナスカ級高速戦闘艦【エルダイム】にクロニクルを積んだらすぐに出撃だ。」

「先輩!!」

ミルズ達のところに走ってくる人物、キッカが息を切らしながら走ってくる。

「どうした、キッカ?」

「あ、隊長もいたんですか?」

「あ、なんだ私は存在感0か?オマケかよ。」

「いじけている隊長はほっといてですね、ミネルバが追跡したときアビス、ガイア、カオ

スはミネルバの迎撃に出てきて確認されたんですがスパイラルは確認されなかったそうです。つまり・・・・・・・」

「スパイラルを奪取した犯人は別に居る、という訳だな、あぁメンドクセェ〜。」

「フンッ、そんな弱腰な事を言っている奴に奪還などできるものか!!」

その声に全員が振り返るとそこには白軍服の白髪の青年が一般兵士の軍服を着た

金髪の男を従えて立っている。クルーガーが敬礼しつつ口を開く。

「これはイザーク・ジュール隊長殿。」

その言葉にミルズとキッカも敬礼する。イザークは真っ直ぐミルズに近づき胸倉を掴む。

「貴様、そんな事でこの高性能機を操縦できるのか!?」

「いえ、あ、それは・・・・。」

イザークの威圧感に何も言えなかったミルズを見て付き添っていた金髪の兵士がイザークの肩を叩いて止める。

「まぁまぁイザーク。そいつだって成り行きでその機体を操縦する事になったんだ。そのくらいにしてやれよ。」

「ふんっ、いくぞディアッカ・・・・・。」

イザークはミルズを解放し歩いていき、その後をディアッカが歩いていく。

「ふぅ・・・・・。」

ミルズがため息をつくとキッカが怒ったように口を開く。

「なんなんですか、あの言いよう・・・・いくら自分が前の戦いを生き抜いたエースパイロットだからって・・・・・・。」

「そう言うなキッカ。彼もせっかく得た平和がGの奪取やユニウスセブンの事で壊れかけ

ているんだ。苛立つのも致し方ない・・・・・。」

その言葉にミルズは服のズレを直しながら静かに言った。

「ですね・・・・・全大戦のときオーブにいたころでさえ、中立のオーブ、平和なオーブも戦渦

に巻き込まれたんだ。平和は長くは保たない・・・・これは必然なのかもしれない。」

 

 

 

 

『全MS、破砕作業開始、時間がないぞ!!』

そんなイザークの通信と共にユニウスセブンに集まったザフト艦隊からMSが一斉にメテ

オブレイカーを運び始める。ミルズのクロニクルもキッカのザクと共にメテオブレイカーを運ぶ。するとキッカから通信が入る。

『先輩、この作業・・・・間に合うんでしょうか?』

「間に合わせるしかないだろう・・・・、じゃないと地球に大きな被害が出る。俺たちがやんなきゃな・・・・・・。」

『ですね・・・頑張りましょう』

そういっている間にもユニウスセブンに到着しメテオブレイカーを設置する。

「よし、次だ・・・・。」

『そうですね・・・・・・・ん?』

「どうした?」

『いえ、一瞬レーダーに反応があったんですが・・・・・見間違いですね。』

「大丈夫か?気を落ち着かせて冷静にな。」

『はい、先輩。』

レーダーの反応が間違いではない事がすぐ後で分かる事になる。

 

ちょうど2機目のメテオブレイカーを設置し終え、三機目を運んでいる時だった。いきなり爆発が起きる。

「な、なんだ!?」

『爆発ですか・・・・・あれはっ!?』

モニターが捕らえたのは謎のジンの一団がメテオブレイカー運搬中のザクを攻撃している姿だった。

「なっ、ジン!?何で味方が!?」

『先輩っ!!』

キッカの声と共にレーダーが複数のジンの接近を知らせる。

「キッカはメテオブレイカーを運べ、俺はジンを止める!」

『でも、Gとはいえジンを複数相手にするのは・・・・』

「ユニウスセブンの落下を止めるのが優先だ!!早く行け!」

『りょ、了解!』

「このっ!!」

ミクロニクルは肩部から二本のビームブーメランを投げつける。

そして二機のジンの両腕部を斬りおとす。

そして背中に装着していた大型ビームソードを取り出し、接近してくる二機をまとめて真っ二つに斬り捨てる。そして後ろで爆発。

また一機のジンが突撃剣を構えて接近してきたため、ヒートソードで受け止める。

「お前らがユニウスセブンの軌道を変えたのか!?」

ミルズが強制的に通信を入れると返事が返ってくる。

『そうだ、このユニウスセブンを・・・・この惨劇を忘れて停戦など私は我慢できん!!』

ジンがクロニクルから離れて突撃銃を撃つのをシールドで防御する。

「だからって無意味な戦いをするべきじゃない!!!あれが落ちたら多くの犠牲者が出るぞ!!」

『ナチュラルに何人、何千人被害が出ようと構わない!!パトリック・ザラの思想が正しいのだ!!』

「パトリック・ザラ・・・・・・・。」

その名にふと考えてしまった隙を狙われ、クロニクルのコクピットに突撃剣が突きつけられる。

「しまったっ!!」

『死ねぇ!!』

しかし轟音と共にジンが横からの攻撃を受けて爆発する。

『何をぼさっとしている!!死にたいのか!?』

「イザーク隊長・・・・・助かりました。」

スクリーンに映るのは隊長クラスが乗るスラッシュザクファントム、イザーク機だった。

『ほら、ビームライフルタイプB(バースト)、貴様の上官からだ。』

イザークから投げられたビームライフルを受け取る。

「すいません、助かります。」

『ふん、それは貴様の上官に言うんだな。俺は他にもやることがある。』

そういって一気にイザーク機が離れていく。

「さて、いくかな・・・・・・ん、あれは・・・・・・。」

よく見ると一機のガンダムが二機のガンダム相手に戦っている。

「あれはインパルス・・・・・・相手はアビスとカオスか!?」

一気に加速してその現場に向かう、がジンが三機接近してくるのを感知する。

「邪魔だぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

三連射可能なビーウライフルB(バースト)で三機のコクピットを撃ち抜きそのまま加速

する。するとジンが追いつけなくなったのか攻撃が止んだ。

「よし・・・・・いくぞ。」

現場に到着するとちょうどアビスガンダムがランスを構えてカオスと撃ち合っているイン

パルスに攻撃をかけようとしていたところだった。

「やらせるかっ!!」

クロニクルのビームライフル三連射を受けてアビスが動きを止める。その隙にインパルス

に合流するとインパルスから通信が入る。スクリーンに映るのは黒髪にエースパイロット

の証である赤いパイロットスーツを着た青年。

『誰だよ、アンタ。しかもそのMSは?』

「ザフト軍クルーガー隊所属、ミルズ・ハワードです、このMSはクロニクル。そちらは?」

『シン・アスカ、ミネルバ所属。』

「ではシン、アビスは任せてください。貴方はカオスを。」

『ふん、勝手にしな。』

そう言って一方的に通信が切られてしまう。

「やれやれ・・・・・いくぞっ!!」

ビームライフルBを乱射するとアビスは軽々と回避し、ビーム砲を撃ってくる。

「くっ!!」

しかし何とかクロニクルもアビスの攻撃を掻い潜る、しかし一発のビーム砲が直撃コースで来るのをシールドで防ぐ。

するとアビスはランスを構え、突っ込んでくる。

「接近戦か、望む所だっ!!」

大型ビームソードを取り出し、クロニクルも一気に加速してアビスに突っ込む。

「悔しいけど俺の親父が設計したこの機体、接近戦ならこっちが上だっ!!」

アビスのランスを空いている手で逸らし、大型ビームソードでビーム砲搭載の丸びを帯びた右肩部を切裂く。

そしてそのままアビスとすれ違い振り向きざまにビームブーメランを投げ、左肩を抉る。

その時だ、いつの間にか現れた所属不明戦艦から信号弾が発射されると一気にアビスが離

脱して行った。カオスも離脱したらしくインパルスが接近してくる。

『さっきは悪かった、正直二機は辛かったから助かったよ。』

「いえ、それほどでは・・・・・。」

その時だった、ユニウスセブンが大気圏に突入しかけているという通信が入り、全機に帰還命令がでたのは・・・・・。

「帰還か・・・・・。」

『・・・・・・・あれはっ!?』

シンは驚いたように声をあげ、落下中のユニウスセブンにインパルスを向かわせていった。

「え、ちょっと何を・・・・・!!」

そう言ってインパルスの向かった先を見ると一機のザクが今だユニウスセブン地表に残り

メテオブレイカーを設置している。

「何で撤退命令が出たのに・・・・・・。」

その姿と母艦を見比べ・・・・・思わず自嘲を浮かべブースターを吹かす。

「全く、俺って奴は・・・・・・。」

そしてインパルスを追って行き、追いつく。

『何やってんだ、アンタ!!』

「何って、助けに来たに決まってるだろが!!」

必死になっていたミルズはそう言う。そしてクロニクルの肩部ビームブーメランで

インパルスの横に迫っていたジンを撃破する。

『変わってるよ、あんた。』

「よく言われる・・・・それよりあのザク!!」

『ったくあいつはぁぁぁぁ!!』

インパルスがビームサーベルを抜きジンを撃破する。

しかしまた数機のジンの編隊が接近してくる。

「敵も必死か・・・・・インパルス、先に行け、ここは俺が止める。」

『たのむ。』

インパルスがザクに向かって飛んでいくのを見送り、ビームライフルBを構え、接近中の

ジンをロックオンする。

「ここは通さないぞ・・・・。」

ビームライフルを撃ち、ジンを撃破、攻撃をシールドで防ぐ。すると隙を突かれ

ビームライフルを斬られてしまい投げ捨てる。そして大型ビームソードを取り出し

構え、まとめて二機のジンを上下真っ二つにする。しかしその内の一機のジンが上半身だ

けでクロニクルを掴みかかりそのまま大気圏に突入する。

「ちっ!!このぉぉぉ!!」

クロニクルの中型ブースターを吹かし、一気にジンを振り切り、左右に真っ二つに切裂く。

「クソッ、クソッやっぱこうなるのかよ!!」

そして席の後ろから父から貰ったクロニクルの設計書を急いでめくる。

「頼むぜ、クソジジイ・・・・大気圏突入用マニュアル・・・・マニュアル・・・・・あった!!」

そして書いてある装備を展開させ、クロニクルを大気圏突入のための態勢にする。

「後は運次第かな。」

様々な警報が鳴るコクピットで設計書を後ろに投げて、操縦席にどっしり座り込む。

しばらくすると警報が徐々に消えていき、白い雲と青々な海が見える。

背部についていた減速用のパラシュートを開くが速度が速すぎるのか引き千切れてしまう。

「げっ!!マジかよ!!」

しょうがないので中型ブースターを全開で吹かす、すると徐々にだが減速していく。

「よしよしよし・・・・・・・・・。」

 

ボンッ!!

 

「え?おぇ!?」

なんと中型ブースターがハードな機動に耐えられなかったのか煙を上げ止まってしまう。

通常ブースターは動いているが凄まじい速度で海がどんどん近づいてくる。

「くそぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」

そしてクロニクルは海に叩きつけられ、その衝撃でミルズは気を失ってしまった。

 

 

PHASE-03

【お買い物なら楽天市場!】 【話題の商品がなんでも揃う!】 【無料掲示板&ブログ】 【レンタルサーバー】
【AT-LINK 専用サーバ・サービス】 【ディックの30日間無利息キャッシング】 【1日5分の英会話】