PHASE-04「戦火の中で」

PHASE-04「戦火の中で」

 

 

 

 

 

特殊MS部隊の面々はMSのドックに走り、それぞれの機体に乗り込む。

「ん?あの女性は?」

ヴァルキリーに乗り込もうとするノインがコクピット前で見慣れない女性

と話している。

「あぁ〜、あれはヴァルキリーのAIのマリアだよ。」

ミルズにルドルフが後ろから来て言う

「へぇ〜AI・・・・って、え、え?」

「あ、やっぱ信じられないよなぁ〜、じゃあマリアの背中見てみ?」

「背中・・・・・・コードが・・・・・・。」

AIマリアの背中からヴァルキリーのコクピット内にたくさんのコードが繋がっていた。

「彼女はあのコードが伸びる範囲までしか動けない。コードでヴァルキリーとリンク

してるからなぁ。隊長と隊長の恋人だった人が製作した人型AIだよ。」

「恋人だった人・・・・・?」

「前大戦の末期にマリアは完成したらしいんだが、その後すぐに戦闘に巻き込まれて

隊長の彼女は亡くなったそうだぜ。っとお前も早く出撃準備しろよ。」

「・・・・・・・・・・・・了解。」

“自分の目で確かめるんだ、これから始まるかもしれない大きな戦い・・・そしてその意味を・・・・・。”

ふと頭の中にキラの言葉が浮かぶ。ミルズは頭を振って無理やり考えを頭から追い出し言う。

「今はそれを考えている暇は無い!!修理の状況は?」

クロニクルの修理を行っている整備士に話をかけると整備士が振り返る

「とりあえずフレームと装甲の換装は完了、武装はとりあえず“ブレード”から

予備の大型ヒートソードを持ってきた、あとはブースターがまだ通常時の80%だ。」

「それでいい、あとザク用のビームライフルはあるかな?」

「あぁ、それならすぐに準備できるぞ。」

「頼む。」

ミルズはクロニクルに乗り込む。周りを見ると他のMSも出撃しだしている。

クロニクルを起動させトラックで運ばれてくるビームライフルを掴む。

「クロニクル出撃する。」

ゆっくりとドックから出てブースターを吹かし、空に飛び出し、すでに出撃した

迎撃部隊に合流する。

迎撃部隊の先頭にはヴァルキリー、続いてクロニクル、その横にはブレード。

その後ろにはエアと空中移動用の機械に乗ったケルベロス、そしてバビの集団が続く。

基地にはガズウートが並び、砲撃準備をしていた。

対し連合艦隊も続々とMS【ウィンダム】を出撃させていた。

『全機に通達、敵連合艦隊をレーダーに捕らえた、敵さんもMSをわんさか出してきてい

る。気を引き締めてかかれ、攻撃開始。』

その言葉と共にキッカのケルベロスが全砲門を開き、ミサイルを余すことなくウィンダ

ムや連合艦に発射する。それが合図とでもなったかのように戦闘が開始される。

まず突っ込んでいったのは“ブレード”、エリシアだ。突撃してきたブレードにウィンダム

がビームライフルを撃ってくる。

『当たらないわよっ!!』

“ブレード”の両腕から細いワイヤーを出し、ウィンダムの腕を斬りおとす。

そして一気にウィンダムの懐に突っ込みロングビームサーベルで纏めて二機真っ二つにす

る。下から連合戦艦からミサイルが飛んでくる。

『はあ〜、めんどうくさい・・・かったるい・・・』

そういってルドルフの“エア”がミサイルと“ブレード”の間に入り、ビームライフルで

ミサイルを撃ち落す。

『親鳥から沈めようかしらね♪』

“ブレード”は背中から大型ヒートソード二本を取り両手で構えて突っ込む。

『あ、ちょっとエリシアさん・・・・・・・あぁ〜〜〜めんどくせぇ!!』

“エア”が一気に加速し、突っ込んでくる“ブレード”に対しての対空武装をビームライ

フルで黙らせると“ブレード”が艦に降り立ち艦橋を大型ヒートソードで真っ二つにして

離脱する。そして連合戦艦が爆発を起こす。

「これは負けてられない・・・・・いくぞっ!!」

“クロニクル”も突撃し、ウィンダムを二機まとめて大型ヒートソードで切り裂き

そのまま左右に向けてビームブーメランを投げて接近してきていたウィンダム二機を

撃破する。

『行きますっ!!このぉっ!!!!』

キッカのケルベロスがミサイルを撃ち連合戦艦を二隻沈める。

“ヴァルキリー”もウィンダムを斬り捨てる。

 

 

 

 

 

ノインは通信を聞きながら苦笑する。

「調子に乗りすぎて落とされるなよ。」

『ノイン、高エネルギー接近、回避を推奨します。』

マリアの言葉にノインは機体右に移すと、先ほどまでいた場所をビームライフルの

光が通り過ぎる。

「なんだ、射程距離外からの射撃!?」

『サーチ・・・・・・見つかりました、連合艦隊最後方旗艦艦上・・・・・・・・、データにはないアンノーンMS。』

カメラが連合旗艦を拡大するとMS用長距離狙撃ライフルを構えたガンダムが見える。

「長距離射撃か・・・・・・マリア、敵の狙撃の弾道演算できるか?」

『弾道予想演算開始・・・・・・・OKです。』

「よし、気を引いてあいつの狙いをこの機体に集中させて他の機体への被害を出さないようにする。

少し無理するが前線を突破してあいつに肉薄するぞ。」

『了解しました。無理は禁物ですよ、ノイン。』

「わかってるさマリア。いくぞっ!!」

そして“ヴァルキリー”は戦火が激しくなる前線に突っ込んで行った。

 

 

 

『まだまだ行くわよっ!!』

ロングビームサーベル2本を1本に接続し目の前でビームサーベルを振りかざしてきた

ウィンダムを叩き斬る。

「だから張り切りすぎ無いほうがいいっすよ、エリシアさん。」

そういって“エア”はビームライフルでウィンダムを撃ち、そして背後から

迫ってくるウィンダムのビームサーベルをビームサーベルで受け止め、蹴りを叩き込む。

その時だ、レーダーが何かが高速で“ブレード”に近づいてくるのに気づく。

「あれは・・・・・・・・・・・エリシアさん、避けろっ!!」

『えっ?何っ!?』

“ブレード”が接近してきた何かにロングビームサーベルを右腕ごと斬り落とされる。

「チッ!連合の高速機動特化型のGか、あぁもうめんどくせぇ!!」

何か・・・・連合のG(ガンダム)は再び態勢の整っていない“ブレード”にビームサーベル

を構え高速で接近するのを“エア”がビームライフルで止める。すると方向を変え、今度

は“エア”に高速で接近してくる。

「このっ!!」

ビームライフルはことごとく回避され肉薄され、“エア”はビームサーベルを抜き、連合の

Gのビームサーベルを受け止める。

『へぇ〜、グラビティの速さについて来れるんだ、面白いねぇ!!』

「なんだ?連合のGからか?グラビティがその機体の名前か。」

『そっちも高機動特化型らしいね、これは楽しくなりそうだ♪』

そう言い、グラビティはいったんエアから離れ、収束ビーム砲を撃つ。

それをエアは避け、ビームライフルで反撃するが光波シールドで弾かれてしまう。

「なんだ、クソっ!!シールドかよ、面倒だぜ、まったく!!」

また収束ビーム砲やビームライフルを撃ってきてエアに撃つ隙を与えない。

ただでさえ高機動で戦闘しているため、勝負が一瞬一瞬なのに・・・・・。

そしてエアが収束ビーム砲が当たりそうになるのを寸前で避けたとき、その隙を見て

グラビティが接近しビームサーベルを振り下ろす。

『終わりだね、あっけない・・・・・。』

『私を忘れないで欲しいわね!!』

振り下ろそうとしたグラビティの腕が細いワイヤーによって寸断される。

ブレードが、グラビティが攻撃するためにスピードを落とした時を狙ったのだ。

『ちぇ、トロイから忘れてたよ。まぁいいや、今日はオシマイ。バイバイ!!』

一気にグラビティがその場を去っていく。

「グラビティ・・・・・・厄介な機体を連合も作ったもんだ・・・・・。」

『次は私があれを撃破するわよ!!ルドルフには譲らないんだから!!』

「はいはい、分かりましたよ・・・・・・それよりさっさと他の雑魚も片付けましょう、あぁ〜たりぃ・・・。」

 

 

 

「じゃまだっ!!!」

クロニクルはビームライフルでウィンダムを撃ちぬく。

『先輩、キリがありません、連合の旗艦を落としてしまったほうが・・・・・・。』

「しかしだな、旗艦まで通してくれると思うか?」

『ならこうするだけです、ロック!!』

ケルベロスの全砲門が開き、ミサイルを一気に発射し、数十に及ぶ爆発を起す、

と思われた直後だった。水中からビーム砲が発射されケルベロスの放ったミサイルを

落としていく。

『なっ!?水中!?』

驚きに少し動きを止めてしまったケルベロスの後ろに海中から飛び出した水色の腹部スキ

ュラとシールドを装備したMSが飛び出し、ビーム形状の三叉を武器をケルベロスに突き刺そうとする。

「やらせるかっ!!」

クロニクルはケルベロスを蹴飛ばし無理やり三叉の武器の軸からずらし、

大型ヒートソードで受け止める。するとまた青いMSは水中に潜ってしまう。

「クッ!!」

『ヒャハハハハ、“ディープガンダム”のトライデントランスを受け止めるたぁ〜

やるじゃねぇの、この細っこいの。』

「連合の“G”か・・・・・。」

『だが次は確実に殺るぜ、ヒャハハ・・・ガハッ!!』

その通信と共に水中で爆発が起きる、クロニクルのカメラで見るとケルベロスの脚部ミサ

イル発射管が開いている。

『よそ見しない、無駄口叩かない、先輩にも言ってますけどこれが戦闘のときの鉄則で

す!!私が対水中戦を想定して無いと思ってたんですか?』

そう、脚部発射管にはミサイルの代わりに魚雷が装填されていたのだ。

『この野郎・・・・・・・ぶっ殺す!!』

その時だ、明らかにウィンダムでは無い、高速でクロニクルに接近してくるMSを捕らえたのは・・・・・。

『コイツは私がやります!!先輩は今接近してきている奴を。』

「わかった。」

クロニクルが一気にその場を離脱し接近してくるMSを待ち構える。

「接近中のMS・・・・データバンクにあるMSの形状と一致・・・・これはっ!!」

見えたのは巨大な大鎌を構え突っ込んでくるあの機体・・・・・・・。

「スパイラル!くっ!!」

先手を取ったスパイラルが大鎌を振りかざし、それを大型ヒートソードで受け止める。

『ひさしぶりだなぁ〜ザフトパイロット君。』

「ミルズだっ!!」

『ほう、ミルズか・・・・いい名だな。俺はラムルだ、宜しくなっ!』

「チィッ!!」

がら空きになっていたクロニクルの胴体部を蹴り飛ばされる。

『いい名だが、パイロットとしての腕は発展途上ってとこだな。』

改めてスパイラルを見ると肩には大きなシールドが付けられ手には大鎌を持っている。

シールドには連合のマークがある。

「お前、連合だったのか!?」

『いいや、俺はただの雇われの身。戦争が出来りゃ何処でも行くさ。』

クロニクルがビームライフルを撃つと、スパイラルは肩に装備してあるシールドで

弾き、再び大鎌を構え突っ込んでくる。

そしてビームライフルを切り捨てられ、タックルされ態勢を崩したクロニクルに

スパイラルの大鎌が振り下ろされる。

『そうそう部下を殺されてたまるかっ!!』

そういう通信と共にヴァルキリーがビームライフルでスパイラルの攻撃を妨害する。

『大丈夫か、ミルズ。』

「ノイン隊長・・・・助かりました。」

構えを止めスパイラルは一気にその場を離脱する。

『流石にガンダム二体相手は辛いからな、トンズラさせて貰うよ。』

「まてっ!!」

ミルズのクロニクルが追おうとするのをノインはとめる。

『止めておけ、連合軍自体が引き始めた・・・・追っても意味は無いよ。』

ノインの言うとおりウィンダムや連合艦隊がユックリと撤退を開始しているのが見えた。

「あっさり撤退しましたね。」

『この基地の戦力を知るための威力偵察って所だろう。ヴァルキリーを狙撃してきた

MSもあっさり艦内に帰還してしまったしな。』

そんな話をしているとキッカのケルベロスが近づいてくる。彼女もディープと呼ばれたGに逃げられたようだ。

「ラムル・・・・・・。」

ミルズは連合艦隊の撤退する姿を見ながら呟いたのだった。

 

 

 

 

PHASE-05

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