PHASE-07 「ロゴスという名の標的」

PHASE-07 「ロゴスという名の標的」

 

 

 

 

「ロゴス・・・・・・・・・・か。」

議長の演説がスクリーンで流れる中、ミルズは呟く。

横にいたキッカが心配そうにミルズの手を握る。キッカに向き直り安心させるように微笑

んだ後、スクリーンに目線を向ける。ふと目に入ったシーサは嬉しそうにスクリーンを見ていた。

他の兵士達は怒りに震える者から、悲しみに涙を流す者までいる。

その場の全員の憎しみという名の武器は議長の言うままに照準をロゴスへと向けていた。

ミルズを除いて・・・・・・・・・・・・・・・。

“本当にロゴスを討てば戦争は終わるのか?”

「先輩っ!!」

「え、ああ何だ、キッカ。」

「なんだ?じゃないですよ、さっきから呼んでいるのに・・・・・。

まぁいいです、隊長が呼んでます。シーサも行っちゃいましたよ、私達も行きましょう♪」

「ちょ、ちょっと待て、引っ張るな!」

キッカに手を掴まれ引きずられるミルズ。キッカとミルズの関係はキッカの不意打ち的な

告白により進展していた。その雰囲気にミルズは先ほど抱いていた疑問も忘れていた。

 

 

 

「ヘヴンズゲート(天国の門)・・・・・・・。」

ミルズは母艦上から連合最大の基地、その場所を見ながら言う。

「連合にとってのヘルゲートにしてやるさ♪」

「・・・・・・・・・・・・。」

ミルズの後ろからシーサが近づき言うが、ミルズは何も答えない。

その姿を見てシーサは肩をすくめる

「ヤレヤレ、嫌われたもんだなぁ〜、今、この状況や議長の言葉でわかるだろ?」

「・・・・・・確かにロゴスがこの戦争を起したのは本当だろう。でも俺は議長の

言う事を全て信じることは出来ない。シーサの戦い方にも賛同できない。」

そしてミルズは艦内に入っていく。それを見送ったシーサは懐から無線機を取り出し

どこかに通信をつなげる。

「例の計画の障害となりうる人物・・・・・・あぁ、連合とジブリールを消した後に・・・・・

あぁ、そうだ・・・・んじゃ議長にも宜しく。」

そして通信を切り、シーサは残忍な笑みを浮かべた。

 

「ふぅ・・・・・コーヒーでも飲むかな・・・・・・。」

ゆっくりと食堂に足を進めるとキッカが後ろから走ってきてミルズの横を歩き始める。

「いよいよですね、先輩。」

「あぁ・・・そうだな・・・・・・・・。」

「どうしたんですか、先輩?」

パッとしないミルズの返答にキッカが心配そうに見つめるとミルズはキッカを抱き寄せる。

「気をつけろよ、今度は連合も必死だろうからな。」

「大丈夫ですよ・・・・・なにせ先輩がいるんですから。」

そういった瞬間だった、凄まじい揺れと警報が鳴り出す。走ってくる兵士を掴まえ

聞くと連合が先制攻撃を仕掛けてきたということだった。

「行くぞ、キッカ!!」

「はい。」

そして二人は自分の機体へそれぞれ乗り込むとノインから通信が入る。

『出撃後は艦隊上空でMS発進の支援・・・・その後は反撃に移るぞ。』

「了解、クロニクル発進します。」

そして出撃すると早速ウィンダムが襲ってくる。

「このっ!!」

すれ違いざまにヒートソードで斬り捨てる。そして後続で突っ込んできたウィンダムをビ

ームライフルで撃ち抜く。

ケルベロスガンダムも出撃し、一斉射撃でウィンダムを数機一気に撃破する。

『これだけいるとめんどいなぁ〜。』

『じゃんじゃん撃破するわよぉ―!!』

エアガンダムもビームライフルで数機を撃ち抜き、ブレードガンダムはヒートソードで

敵をまとめて二機同時に斬り捨てる。

『マリア、味方MSの出撃は?』

『・・・・・順調に出撃中です、ノイン』

ヴァルキリーガンダムはファンネルと呼ばれる自動砲台を発射し、自分自身もビームライ

フルで敵を撃ち抜く。

 

 

 

「むやみに多いわね、まったく・・・・・・・ん?」

エリシアが呟くと、データにある連合MSの接近をレーダーが知らせる。

「この接近速度・・・・・・・・コイツはっ!?」

急接近してくる連合MSのビームサーベルをヒートソードで受け止める。

「グラビティ・・・・・・・。」

『なぁ〜んだ、ウスノロか・・・残念。』

グラビティガンダムは一旦ブレードガンダムから距離を取りビームライフルを撃って来る。

ブレードガンダムは避けつつ接近し、ヒートワイヤーを撃ち出しグラビティガンダムを牽

制する。

『当たらないよ、ウスノロ!!』

「それはどうかしらねっ!!」

ヒートワイヤーを避け、隙だらけのグラビティガンダムにビームサーベルを投槍の要領で

投げつけ、グラビティガンダムの右肩に突き刺さる。

『このっ!!ウスノロごときがぁぁぁぁぁぁ!!!!』

グラビティガンダムは収束ビーム砲を乱射する。

「いくら早くたって、そんな感情的になればっ!!!!」

ブレードガンダムはビーム砲を避けて一気に接近し、グラビティガンダムに斬り付ける

がグラビティガンダムもそれを避ける。振り返りざまに頭部ガトリング砲を撃つがグラビ

ティガンダムの光波シールドに阻まれてしまう。

すると横からウィンダムがグラビティガンダムの援護とでも言うかのように襲い掛かって

くる。ブレードガンダムはウィンダムの放つビームライフルを避け、

ビームサーベルで斬りかかって来るのを逸らし、ヒートソードでウィンダムを突き刺す。

『隙ありすぎだぜ、死ねぇウスノロ!!』

「やかましいわよ、餓鬼!!」

かたをつけようとビームサーベルを構え突っ込んでくるグラビティガンダムに、ブレード

ガンダムはヒートソードに突き刺さったままだったウィンダムの残骸をグラビティガンダ

ムに投げつける。そしてグラビティガンダムに激突し爆発する。

『ちぃぃっ!!』

爆発の煙から抜けたグラビティガンダムのメインカメラが見たものは目の前まで迫ってく

るヒートソードを持ったブレードガンダム。

『いやっ・・・・・・・!!』

「ウスノロと言った罪を償いなさいっ!」

ヒートソードがグラビティガンダムに突き刺さる。

『いあ、いや、いやだぁぁぁ、こんなウスノ・・・・・。』

そしてヒートソードを抜き、ブレードガンダムが離脱した瞬間グラビティガンダムが

炎に包まれる。

「やったね・・・・・・ん?えぇ!?」

通信を聞いてエリシアは驚きの声を上げた。

 

 

「ロシアで現れた巨大連合MSが五機も出現しただって!?」

ミルズが通信に声を上げるとシーサが通信をつないで来る。

『ミルズっち、そのデカブツを落としに行くよ。』

「・・・・・・わかった。」

そして連合巨大MSが現れた場所へ向かう・・・・・・・しかしクロニクルの

コクピット内に警報が鳴り響く。

『ミルズっち避けろっ!!』

「くっ!!」

クロニクルはギリギリで飛んできたビームライフルを回避する。

「射程距離外からの攻撃・・・・・・。」

『狙撃だね・・・・・隊長の言っていた奴じゃないかな?』

クロニクルが連合の狙撃MSの狙撃ポイントに向かおうとするのをウォーズガンダムが止める。

『ミルズっちはデカブツの所へ。ここは俺がやるよ。』

「え、でも・・・・・。」

『まぁまぁいいから。狙撃なんて舐めた真似をするMS・・・・・・・ぶち壊したいんだよねぇ・・・・フフフ♪』

「・・・・・・・わかった。」

ミルズがそう言うと一気にウォーズガンダムがその場から離脱し、連合狙撃MSの所へ

行ってしまう。

「俺はあのデカブツを止めるのか・・・・・・・・。」

現場に向かう途中で他の部隊からの救援要請が来る。

「部隊がたった一機に全滅寸前?・・・・・そんな・・・・まさかっ!!」

そしてクロニクルが救援要請の出た場所へ着くとちょうど味方部隊の最後の一機が鎌で真

っ二つに切り裂かれ爆発した所だった。

「スパイラル・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」

『来たな、ミルズ君。さぁ始めようか。』

「ちぃっ!!」

一気に接近してきたスパイラルガンダムの鎌をヒートソードで受け止める。

そして頭部ガトリング砲で牽制し距離を取って肩部ビームブーメランを投げつけるが

スパイラルガンダムは鎌でビー目ランを弾く、その隙を突いてクロニクルは一気に接近し

スパイラルガンダムを蹴り飛ばす。

『やるようになったじゃないか・・・・。ん?』

すると何もせずにスパイラルがその場から離脱し始める。

「逃げるのかっ!?」

『わりぃな、依頼主が脱出するって言うんで、護衛しなきゃいけねぇのよ。』

離脱したスパイラルを追おうとするがウィンダムに進路を阻まれてしまった。

「くそっ、邪魔だっ!!」

ウィンダムを斬り捨てるがもうその先にはスパイラルはいなかった。

『なぁ〜んだ、逃げられちゃったのかぁ〜、残念だねミルズっち。』

飛んできたウォーズガンダムを見てミルズは驚いた。

その姿はおそらく倒したMSのオイルだろうが・・・・そのオイルが血を浴びたようにウォー

ズガンダム全身に付いていた。そして右手にはクロニクルを狙撃したMSの頭部が握られ

ていた。形状から言ってガンダムだろう、こうなると無残この上ない。

『あ、これ?がっかりだよ、中短距離は全然ダメだね、これ。』

そう言ってMSの頭部を投げ捨ててしまった。キッカから通信が入る。

『先輩、敵巨大MSはミネルバ組が撃破、ヘブンズベースも降伏した模様です。

ただジブリールは見つからず逃走した模様です。』

「わかった。」

『ちぇっ、ジブリールまで逃がしちゃうなんてつまんないのっ!!!』

「仕方ない、戻るぞ。」

『はいよ、あぁ〜あ・・・・・・ツマンナイ。』

 

ウォーズガンダムとクロニクルは母艦に戻っていった。

この二機が近い未来ぶつかり合うとは今は知らないことだった。

 

 

 

 

PHASE-08へ

【お買い物なら楽天市場!】 【話題の商品がなんでも揃う!】 【無料掲示板&ブログ】 【レンタルサーバー】
【AT-LINK 専用サーバ・サービス】 【ディックの30日間無利息キャッシング】 【1日5分の英会話】