PHASE-08「GOING MY WAY」

PHASE-08「GOING MY WAY」

 

 

 

「なんだって!?何故あの国に!?」

ミルズはノインの口から話された次の作戦を聞き、壁に手を叩きつける。

「上からの命令だよ。オーブに逃げ込んだジブリールの引渡し要請に応じない場合、

武力によるオーブ制圧を行う。オーブ生まれのお前には辛いとは思うがな・・・・・・・。」

「クッ・・・・・」

「先輩っ!!」

思わずブリーティングルームから出て行ってしまうミルズを追ってキッカも出て行った。

 

 

甲板に出たミルズは手すりにもたれる。

「くそっ、何故オーブに・・・・・・・・。」

「先輩・・・・・大丈夫ですか?」

キッカの方に向き直りミルズは口を開く。

「いいよな、キッカは。」

「え?」

「だってそうだろ!!キッカは故郷を攻撃するわけじゃないんだ、だけど俺はな・・・・・。」

「っ!!」

キッカの平手がミルズの右頬を思いっきり叩く。その時のキッカの顔は涙目で悲しそうだった。

「故郷を討とうとどこを討とうと人を殺すことに変わりは無いんですよ先輩・・・・

辛いに決まってるじゃないですか。」

「悪い・・・・。」

言い過ぎたことに気づきミルズが謝ると、キッカは“でも・・・・”と付け加え

前回とは違いキッカがミルズを抱きしめる。

「私は先輩について行きます・・・・・だから先輩は先輩の思った通りに・・・・。」

「ありがとう、キッカ・・・・・・。」

「あぁ〜え〜とアツアツな所を邪魔して申し訳ないんだけど〜」

その言葉にキッカとミルズは顔を赤くして離れて声のするほうを向くとシーサが

そこに立っていた。

「な、何だシーサ!?」

「いたなら言ってくださいよ!!」

“いや〜”とニヤケながら歩いてくるシーサ。

「アツアツなシーンをジックリ見せてもらいましたぁ〜なんちゃってね♪」

「で、なんの用だ?」

「オイオイ、なんの用だ?ってアンタらがブリーティングの途中で出て行っちゃうから

作戦の資料渡しに来たんだよ。特にラブラブご両人は議長直々の特別任務があるからね。」

「特別任務・・・・ですか?」

「そう、なんかオーブで最新MSと戦艦が開発されてるとかでね、それを撃破して欲しい

んだってさ。」

そう言ってシーサは資料を二人に渡す。

「まぁ〜、敵は俺や隊長たちが引きつける予定ではあるから安心していいよ。」

「わかった、それじゃあ行こうか、キッカ。」

「はい、先輩。」

そしてミルズとキッカが艦内に戻っていくのを見送ったシーサは残虐な笑みを浮かべた。

「バイバイ、ミルズっち、キッカちゃん、君達は必要ないんだよ、フフ♪」

 

 

ついに戦闘が始まり激しい戦闘がオーブ周辺で行われる中、

クロニクルはケルベロスガンダムと共に資料に書かれていた作戦区域に向け

移動していた。

『先輩、もう少しで目標地点です・・・・・・。』

「わかった・・・・・・っ!?」

いきなりのことだった、海中から攻撃が来たのだ。

「チッ!!キッカ!!」

『了解です。』

そしてケルベロスガンダムが魚雷を撃つと海中で爆発、攻撃を仕掛けてきたMSの

破片が空中まで飛び散る。しかしその破片を見てミルズは声を上げた。

「あれはアッシュの腕!?くそっ、何で味方が!?」

『通信にも応答しません、敵攻撃来ます!!』

キッカの悲鳴と共に海中から再び攻撃が来るのを避けていると高速で味方機が接近するの

をレーダーが感知する。

「この反応はウォーズガンダムか!?」

そしてウォーズガンダムは何の前触れも無くドラグーンシステムを起動し・・・・・・・

クロニクルを攻撃し始めた。クロニクルは予想外の攻撃に反応できず、右腕を破壊される。

「どういうことだ、シーサ。」

『フフフ、ミルズっち。議長の言葉に疑問を持っちゃった事がいけないんだよ。

君は“計画”の邪魔になる。俺を恨まないでね・・・・・・。』

『先輩はやらせないっ!!』

クロニクルの前にケルベロスガンダムが入り込むが、そのことによりケルベロスガンダム

がドラグーンシステムの餌食になる。武装や両腕、メインカメラのある頭部を撃破される。

『クッ・・・・・。』

どんどんとケルベロスガンダムが高度を下げていく。

「キッカっ!?シーサ、お前ぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」

ミルズの中で何かが弾けると共にクロニクルの動きが変わる。

『へぇ、早いじゃん、やるねぇミルズっち。』

ドラグーンシステムから放たれる予想不可能なビームを回避し、ヒートソードやシールド

で防ぎ一気に接近する。

『だけどまだまだだね♪』

ビームライフルを構えるウォーズガンダム。必中だとシーサは思いながら引き金を引く。

しかし、クロニクルはギリギリのところでヒートソードで弾き、そのままの勢いで

ウォーズガンダムのビームライフルを持った腕を斬りおとす。

「シーサぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

『調子に乗っちゃいけないよ!!ミルズっち!!』

ドラグーンシステムが撃ち出したビーム砲をクロニクルは避けて再び攻撃しようとしたその時・・・・・・・。

『避けていいのかな?』

「なっ!?」

ビームの行き先、そこには何とか高度を保っていたキッカのケルベロスガンダム・・・・・

防ぐ余力も無い。

「やめろぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」

ビームがケルベロスに当たりそうになったその時、何かがケルベロスガンダムの前に立ち

ビームをシールドで弾いた。白と青の色を基調としたガンダム・・・・。

「フリーダム・・・・・?」

『久しぶりだね。』

「キラさんですか、助かりました。」

『うん、お礼はいいから彼女、かな?を助けないと・・・飛ぶのがやっとみたいだし。』

「でも・・・・・。」

そう、理由はともかくザフトの特殊部隊やシーサが攻撃してきたと言う事はもうザフト軍には戻れない・・・・・。

『わかった、じゃあアークエンジェルに。艦長には僕から伝えておくから。』

「すいません。」

そしてケルベロスガンダムを抱えてクロニクルが離脱しようとするとウォーズガンダム

がドラグーンシステムなどで妨害しようとする。

『フリーダムも落としてやるよ!!』

しかしフリーダムとは違う方向からビームライフルが飛んでくる。

『マリアの言うとおりだったな、そうか、議長の演説に疑問を持った者は消すのか?

じゃあ俺もその内消されるな・・・・・・俺の部下を殺す指示を出す議長なんぞ信じられないからな。』

「隊長!!」

ヴァルキリーガンダムがビームライフルを構えて飛んでくる、その後ろからはブレードガ

ンダムとエアガンダム。

『シーサがいないからなんか変だと思ったのよね、予感的中ね。』

『まぁ、単純に俺はシーサ嫌いだし・・・。』

「エリシアさん、ルドルフ!!」

そしてウォーズガンダムは五機のガンダムに囲まれる。

『流石に五機いっぺんに相手するのは辛いなぁ〜、引くしかないか。

次は全員殺してやるから、楽しみに待っててね!!!』

一気に離脱するウォーズガンダム。

『ミルズ、俺たちが援護するからアークエンジェルへケルベロスを早く運べ。』

「すいません。」

フリーダムは“まだやることがあるから”と言って飛び去っていった。

そしてアークエンジェルへ近づくと通信が入る。サブスクリーンに映るのは一人の女性。

『キラ君から聞いているわ、着艦を許可します。』

先にケルベロスガンダムを着艦させる。そしてすぐにクロニクルも着艦した。

ミルズはすぐにコクピットから出てケルベロスのコクピット前に走る。

するとキッカが担架で運ばれる所だった。意識はあるが頭部からは血が出ていた。

「キッカっ!!」

「先・・・・輩・・・・。」

「大丈夫か!?」

「はは・・・大丈夫ですよ、そんな簡単には死にませんって・・・・。」

そして医療兵がキッカを医務室まで運ぶのを見送った後、後から着艦したノインと合流し

兵に誘導されてアークエンジェルの艦橋へと通される。

すると艦長席に座っていた女性が振り返り笑みを浮かべる。

「ようこそアークエンジェルへ、艦長のマリュー・ラミアスです。」

まずノインが挨拶し、ミルズも続いて挨拶する。

「この度はありがとうございました。」

「いいのよ、困ったときはお互いさまでしょう。」

そこでミルズはある提案をする。

「クロニクルの補給が終わり次第、この艦の援護に入りたいのですが・・・・。」

その言葉にノインも同意の頷きをするが、マリューは心配そうな表情を浮かべる。

「だいじょうなの?ザフトは元々貴方達の所属の・・・・・。」

ミルズはマリューの言葉を遮るように首を横に振り言う。

「確かにザフトは今さっきまでの俺の所属していた場所です。でも今のザフトの・・・・・

議長の考えは間違っている・・・・そう思います。それにオーブは俺の故郷ですから。」

「そう、それじゃあお願いするわね。」

「了解しました。」

そしてキッカを頼むと念を押してクロニクルに向かい、補給を終えると発進する。

今まで味方として見ていたザクやグフを撃破していく事に変な感覚を覚えながら

ミルズは戦った。しばらく戦っていると一機のシャトルが宇宙に上がって行くのを見た。

その後、すぐにザフト軍が撤退していく。

『どうやらジブリールがあのシャトルに乗っていたらしい。』

ノインの言葉を聞きミルズが口を開く。

「つまりジブリールがいなくなったオーブに用は無い、と言う事ですね。」

『そういうことだな・・・・一旦帰還するぞ。』

「了解・・・・・。」

ミルズはしばらく撤退していくザフト軍の姿を見送り、呟いた。

「俺は俺の道を行く。俺は大切な仲間を守るために戦う・・・・・・。」

 

 

PHASE-09

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