偽説:四国志

〜再生のための統一〜

 

 

 

 

「さてと、あの子のことは更来に任せるとしてこれからの予定の確認だが、細い一本道はここで終わりでいいんだな?」

「・・・はい・・ですが・・・この先は・・・玉国配下袁紹の軍・・・・と袁術軍が戦闘・・・を繰り返している前線の・・・近くで

袁術軍なら・・・いいですが袁紹軍と遭遇した場合はか・・・なり危険です・・。」

蔡エンの言葉に慧は“なるほど”と呟き臧覇に目を向ける。

「臧覇、今から偵察に行こうと思う、10名前後連れてついて来てくれるか?

慶次は残りと共に護衛を頼む。」

臧覇と慶次が頷くのを確認すると慧は早速行動に移した。

 

 

 

昔の話をした更来はゆっくりと立ち上がる。

「さてと、僕があと言いたい事は一つ、“僕達を信じて欲しい”ただそれだけだよ。

それじゃあ僕は皆の所に行くから・・・。」

「おい・・・・。」

その場から離れようとした更来に董白が声をかける。

「この足の傷の処置をしてくれたのはお前なのか?」

ハンカチの巻かれた自分の足を指差した董白に更来は照れるように頬を掻く。

「まぁね、止血程度しかしてないけど・・・それじゃあ。」

更来がその場から去ると董白はソッと何かを感じるように足に巻かれたハンカチに手を触れた。

「信じる・・・・か・・・・。」

 

 

「これは偵察しといてよかったですね、兄貴。」

「あぁ・・・。」

少し小高い丘から伏せた状態で、目の前にある原を見渡す。

すぐ先には戦闘の後の遺体の山・・・そしてさらに遠くでは袁術軍と袁紹軍が戦闘を繰り広げていた。

遠くから見た感じでも袁術軍が押されているのは明らかであった。

「袁術軍も相当押されている・・・・さて、このまま袁術軍が負けるとまずいです、どうします兄貴?」

しばらく考えた慧は数秒の思案の後、臧覇達に指示を出し始めた。

 

 

 

 

 

「くっ・・・・ココまで押されるとは!!」

そう呟いた男は五十斤(約11キロ)の三尖刀を横薙ぎにして数人を斬り倒し、さらに馬

に乗り突っ込んできた敵兵と数合斬り合わせた後、敵兵の左胸を突き刺して落馬させる。

男はまるで不利な状況を払いのけるかのように三尖刀を頭の上で振り回し叫ぶ。

「我は袁術殿が配下、この軍の大将・・・紀霊!!我に斬られたい者は前に出よ!!」

紀霊の名乗りに一瞬袁紹軍が動きを止める・・・しかしその袁紹軍の中から一騎飛び出す。

「我は袁紹殿が配下、高覧!!紀霊殿、お手合わせ願おう!!」

「受けて立とう!!他のものは手出し無用っ!!」

高覧と名乗った若い武将が槍を振り被り突っ込んでくる。

それに応じ自らも高覧に向かい突っ込んでいく紀霊。

そして紀霊の三尖刀と高覧の槍は何度も何度も果てしない数を合わせていく。

紀霊が力ずくで槍を押しのけ横に薙ぐが高覧は上半身を馬の背中に貼り付けるように伏せて避ける。

すぐさま高覧は槍で紀霊の首を貫こうとするが紀霊はとっさに首を逸らし、槍の先が冑に

掠り火花を散らすが致命傷は避ける。

「高覧と言ったか!!やるな!!」

「紀霊殿もなかなかっ!!」

二人の周りの両軍の兵が円状に後退し、その場は二人の戦う闘技場と化する。

そんな時だった、袁紹軍の兵が大声を上げる。

「敵軍!!後方より袁術軍の軍旗が多数翻っています!!」

高覧も一騎打ちの最中、視界の端に確かに袁術軍の軍旗が大量に翻っているのを確認すると、さっと身を翻す。

「紀霊殿・・・・決着はいずれまたっ!!ここは不利!!全軍いったん退くぞ!!」

袁紹軍は高覧に習い転進して撤退していく。

紀霊は馬から下りてゆっくりと視線をある筈のない増援へと向けた。

 

 

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