【SPIRIT OF WAR】

SPIRIT OF WAR

 

序章

 

ふと、は今の大戦にいたるまでの歴史を頭に浮かべていた。目を開ける。すると今自分がいる場所が【ユニット】のコクピットだとわかり、外部端子から輸送機のエンジン音が聞こえ、ここが火柱が上がる、戦闘区域の上空だと現実に引き戻される。
「ナナミ、合流降下ポイントまでどのくらいだ?」
俺は後ろに座って無数のケーブルが繋がっている黒髪の少女に尋ねる。彼女は藤堂ナナミ、【B.C】である。
「はい!!現在予定ポイントより南方に5Km、あと5分ほどで降下します。」
「よし、降下の衝撃、減速、着地の演算しておけよ。それと俺の就任する小隊の無線を傍受してくれ。」
「演算開始します。005番無線傍受します。」
無線はすさまじい戦いを物語っていた。

『おい!![スナイパー]!!援護を頼む。少尉の降下ポイントを確保できない!!』
野太い男の声がする。
「無理言わないでください!!小隊長達の援護で精一杯です!!」
若い男の声だ。小隊長と呼ばれた男はもうひとりの名を呼ぶ
「ソードマスター、そっちはどうだ??」
「ここからじゃ間に合いません!!あぁ!!敵増援です。」
ソードマスターと呼ばれたのは女らしい。

相当混戦模様らしいな。
俺は無線を繋げる。
「自力で降下します。」
『だれだ!!』
「少尉ですよ、小隊長殿・・・・・現在降下ポイントに到着、高度は300フィート、少々降下高度が足りませんがいきます。」
『ふふ、やってみろ少尉!!実力拝見だ!!』
「了解です、小隊長殿。降下開始します。ナナミ、演算は完了しているな。」
「はい。終わってます」
「よし、この戦いが終わったらご飯食べに行こうな。」
ナナミは少し照れたようにしながら、一言
「はい・・・・・。」
しかし、訓練はしたものの実戦は初めてだからな。俺もそうだがナナミも緊張しているようだ。
輸送機の格納扉が開く
銃声、爆発、炎が見える。そして俺のB・ユニット【赤兎】は自由落下に入った・・・・・。《オープン・コンバットだ・・・》


200フィートまで降下していた。地上の敵ユニットの迎撃が来る。
「問題ありません、現在200フィート、パラシュート開きます。」
ナナミの言葉とともに【赤兎】の背中からパラシュート勢いよく開き、一気に落下速度が下がる。
「よし、このペースで90フィートでパラシュートを切り離しブースターを使って着地だ。」
《うまく着地できそうだな・・・。》そんな俺の思いをナナミの声が許さなかった。
「巨大火気反応!!ミサイルです!!こちらに向かっています!!」
「チッ!パラシュート緊急隔離!!」
俺がコクピットの右側にある赤いレバーを勢いよく引く。パラシュートは切り離され【赤兎】の落下速度が上がる。そして切り離したパラシュートの場所でミサイルが爆発し、衝撃が伝わってくる
「着地するには落下速度が速すぎます!!」
《こんにゃろ〜!!!》ナナミの声に俺はすぐさま反応、ブースターを全開にして減速、着地。《よし!!》
「ナナミ!!3秒間レーダーを始動させて周りの敵機数を調べろ!!」
「レーダー始動します。・・・・・・・出ました!!大変!さっきの爆発の勢いなどで着地ポイントがずれています。敵機8機に囲まれています。前方2機、、後方2機、左右に2機ずつ。
四方よりロケットランチャー来ます!!」
「ブースターON!!ナナミ、全武器起動!」
ブースターでジャンプしロケットランチャーを避ける。ロケットランチャーはそのまま、まっすぐ飛び、そのまま交差し敵同士にあたり敵ユニット2機がすさまじい音で破壊される。左右の2機は回避したようだ。
「前方敵ユニットにミサイルロックしました。撃てます!!」
ジャンプした状態から肩に装備されているミサイルランチャーを前方にいた2機に発射!!二つの爆発が起こる。《まず2機撃っ!!》
「次、左右に2機づつです。」
【赤兎】ジャンプから着地しガトリング砲を装備している両手をカカシのように構え発砲。左右にいた4機が蜂の巣になる。
「後ろから発砲きます!!」
後ろから敵ユニットの攻撃を左ガトリング砲に付けてある盾で防ぎ、右ガトリングで反撃、撃破する。この程度、俺にとって楽勝だな。
「ふぅ、いっちょ上がりっと。」
その時目の前にボンと何かが投げ込まれる
「対ユニット用手榴弾です!!緊急退避してください!!」
ナナミの警告でブースターを退避行動のために全開にしようとした。しかしブースターが黒い煙を上げて動かなくなる
「なに!?」
その瞬間対ユニット用手榴弾が爆発するとともに【赤兎】の左腕が吹き飛んだ。
「何が起きたんだ!!ナナミ!?」
「ブースターに異常、次いでブースターが負荷に耐えられず機能を停止、原因は着地の時に本来使わない高度から使ったこと、そしてその後、負荷がかかった状態で使用したためと予想されます!!さらに今の爆発で左腕、左ガトリング砲、肩のミサイルランチャー破損!どうしましょう!!」
「くそっ!!ブースターはそんな柔なもんなのか!?こんなところで・・・・・。」
混乱する俺をよそに敵量産型ユニットに囲まれる。まだこんなに居やがったのかよ!!流石に武装が右ガトリング砲と接近戦用ナイフだけでは辛い。量産型ユニットの中から2機の黒白のユニットが出てくる。

頭部に鬼の角のようなセンサーを取り付けていて、黒いユニットは実剣を持ちいかにも接近型、逆に白いユニットは肩にロケット砲とミサイルランチャー、そしてユニット用スナイパーライフルを持っている。降下中の俺を正確に狙ってミサイル撃ってきたのはこいつか・・・・。
俺は殺されるのを予感し、外部スピーカーで言った
『さっさと殺せ!!もう俺は抵抗できないからな。』
すると黒い敵ユニットが剣を【赤兎】のコクピット部分に向け、外部スピーカーを使って言う
『ふむ・・・・、もう少し手ごたえってものがないと・・・。なんというかもうちょっと抵抗してくれないか。つまらんよオマエ・・・・。』
後ろでは白い敵ユニット手を肩まで上げてわざわざユニットの頭部を横に振り、『やれやれ』とでも言いたそうにしている。
『その前に・・・・・・。聞きたい事があるんだが【B.C】ってなんだ・・・?答えてこたえてくれないか・・・、答えてくれれば一撃で殺ってやる・・・。』
Y,A
にはまだ【B.C】の事はばれていないようだ。もちろん敵に教えるつもりも無い
『知らないな、俺みたいな前線兵士が知るわけ無いだろ』
『そうか・・・・じゃあかっての望み通り殺してやる。死ね・・・。』
黒い敵ユニットが剣を振り上げる、俺は覚悟を決めナナミを側に寄せ髪をなでて落ち着かせる。しかしナナミは震え、俺のパイロットスーツを力いっぱい引っ張っていた。恐いのだろう。
そして剣が振り下ろされると思った瞬間雷の轟音のような音とともに黒い敵ユニットが緊急で後ろに下がる。さっきまで黒い敵ユニットがいた場所が、黒く焼け焦げていた。

外部カメラで周囲を見渡すと約800m離れた場所にライフルのようなものを構えた機体が見える、おそらくは『スナイパー』の機体だろう。『大丈夫ですか、少尉!!』

俺は安堵しふぃ〜とため息をつき無線をONにする
『あんまり大丈夫じゃないかな。』
「ほほう〜さっきまで強気に格好つけてた男がな」
「ちょっと悪い気がしましたけど少尉に敵が向いてる隙に増援呼んでここを包囲する準備を進めてました。」
『ソードマスター』の声、それと同時に俺の回りにいたY,A連軍のユニットのさらに周りに小隊長機とソードマスターの機体、亜連軍量産ユニット、遠くには『スナイパー』のユニットがいて完全に敵ユニットを包囲した形になった。
その状況で動いたのは白い敵ユニットだった。ロケット砲を『スナイパー』のいる場所に撃ちこむ。それに反応し亜連ユニットはY.Aユニットに向けて一斉に発砲を開始する。そして砂煙で見えなくなる。しかし煙の中からでてきたのは、味方ユニットを盾にして健在している黒い敵ユニットと白い敵ユニットだった。
『ふふ、予期せぬ出来事、命の駆け引き、いいな・・・、ゾクゾクする。』
その言葉とともに黒い敵ユニットはすぐさま一番近くにいた亜連量産型ユニットを真っ二つに切り裂き包囲を突破する。そして白い敵ユニットがその場に何かを投げる。爆発するとその場が煙幕に包まれる。煙幕が晴れたときにはもう、敵ユニットの姿はなく、撃破されたユニットが散乱しているだけだった。
「スナイパー!!無事か!!」
返事はすぐに返ってきた
『はい、大丈夫です・・・・・・。回避が少し遅かったら危ない所でした。』
「ふむ、さすが『黒鬼』『白鬼』だ・・・・格が違うな。」
「黒鬼、白鬼ってなんですか??」
「あぁ、さっきの黒いユニットと白いユニットだよ。Y.A連軍のエースだ・・・・・。センサーが鬼の角のように見える事からそう呼ばれている」

その話の後、整備班のトラックに【赤兎】は積まれ、そして俺のこれからの舞台、【エジプト基地】に入っていった。序章発表後座談会

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